2018年5月27日日曜日

迷迭香 万年蝋 海の露 スカボローフェア(詠唱)  

シソ科、マンネンロウ(ロスマリヌス)族。この属名から和名は「迷迭香」とも「万年蝋」とも。学名Rosmarinus officinalis。ここまでくるとローズマリーと分かるのでは?ラテン語のRos(露)+marinus(海の)に由来するという。

強壮剤として使われたり傷につけたり。ウルソール酸が肌に効く、ポリフェノールが若返りに良いとも。肉を焼く時に使えば食欲をそそる香りを醸し出す。

はじめてガーファンクルの「スカボローフェア」を聴いた時には、このローズマリーの実物を知らず、どういうものかと想像したもの。イングランド民謡のスカーバラ・フェアにガーファンクルが曲をつけたという。この民謡ででてくる、「パセリ・セージ・ローズマリーとタイム」という人気ハーブの順番か?と思う歌詞の一部は「魔除け」のおまじないとも聞く。花言葉は「思い出」に関する言葉が多い。「追憶」「私を思って」「あなたは私を蘇らせる」。実際的な効用と詩的な象徴をもつハーブ。

2018年5月26日土曜日

紅いゼラニウム カシニヨール 緑のブレスレット

ローズゼラニウムに続き、紅いゼラニウムが咲いている。次々と。風が吹くと鮮やかなスカーレットがはらはらとベランダに散る。



オリーブがベランダに戻ってきた時、次に欲しいのは紅いゼラニウムと決めていた。南欧の庭によく飾ってあって、それだけで窓辺が華やいでみえる。欧米では厄除け、魔除けの意味も。

もうひとつ理由が。フランスのリトグラファー、カシニョールの作品の中で「緑のブレスレット」が好きだ。背景の燃えるような紅い花は、私のイメージではゼラニウムなのである。我が家のゼラニウムをよくよくみると葉の形が違うような気がしてきが・・・。煙るような眼差しのこんな美女に目の前に座られたら、背景のスカーレットなゼラニウムも色褪せて見えようものだが、女性も花も一心同体のように共に活き活きとしてくるから不思議だ。ゼラニウムの花言葉は「慰め」「君ありて幸せ」。

カシニョール作 「緑のブレスレット」 無断転載させていただいています。

リハビリ#1 ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと 

骨折の左足の腫れがひかない。もう骨折から3ヶ月が経った。処方された薬も役に立たず。

別の整形外科にいくことにした。三点歩行の際に健足である右が痛くて歩行できず困り果てて相談しにいった病院だ。そこは流行っていて3時間ほど待たされたが、きちんと足を触診し、動かした筋肉も確認し「足底筋膜炎」と一発で診断され、骨折が治ってから治療しましょうとしていた。どうせならと一緒に左足の浮腫みも見ていただいた。左も右と同じ症状で筋肉が弛緩し本来あたるべきでないところがあたって二の指付け根が痛くなる構造に加えてギブスで血流が滞り筋肉が更に衰えている為に、浮腫みがとれないとのこと。マッサージで血流をよくしつつ、筋肉も少しずつ動かす為に所謂タオルギャザー運動をすることに。

「足は足関節で大腿骨からの体重を受けとります。足の体重を栄える部分はアーチ型をしています・・・したがって、足には体重を支える部分が3つあり・・・足を3本足の台もしくは三脚のようにイメージし、そのうちのどれか1つではなくて、3つの中心に立っていると思うと良いでしょう。」トーマス・マーク著 ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと から

ピアノの音をもっと豊かに出せるようになりたいと思い購入した。一度読んだはずなのに全く頭に残っていなかった。「痛い目にあわないと分からない」とよく言うが、あたっている。この本はピアノを弾く上で論理的に身体の使い方をアドヴァイスしてくれているが、その知恵は自分の身体を守る為にも大切なことばかり。もう一度読み直してみよう。







2018年5月25日金曜日

豚の饅頭 篝火花

イタリアでは球根を豚が食べるので「豚の饅頭」と呼ぶ。日本では、篝火をたいているような花の形だからとも言う。花言葉は「清純」「はにかみ」「内気」など。と言ってすぐこの花を当てられる方もいるのだろうか。シクラメンである。

我が家のシクラメンは、昨冬に購入したのにすぐに枯れ、それでも水をあげていたら少しずつ生き返り、今や花盛り。蕾も初々しい。

季節外れの狂い咲きと思っていたが、実は開花時期は10-4月頃。5月であればまだ「遅咲きの大器晩成型」と言えなくもない。冬の花だと思い込んでいたが、それはクリスマス時期に売り出されるコマーシャリズムに惑わされていたのだろう。季語も冬のそれではなく「春」だそうだ。

サクラソウ科。和名「シクラメン」。これは学名Cyclamen(シクラメン属)persicum(ペルシャの)の発音をそのままあてたもの。Cyclamenは球根が丸いことからギリシャ語のkiklos(円)が語源で日本には明治末期に渡来。

「シクラメンのかほり」の歌詞では、シクラメンを「清しい」「まぶしい」「淋しい」と表していて、これは花言葉のイメージを上手く女性に転化していると思いう。一方、またの名前にも表れているように花の形から「焔」「篝火」といった俳句も多く読まれている。「豚の饅頭」までいってしまうと違う花ではないかと思ってしまうが、なんとも幅広いイメージをもち、奥深い。


2018年5月19日土曜日

ローズゼラニウムの花咲いた 

友人からいただいたローズゼラニウムが花咲いた。お気に入りのコップに活けてベランダにおいている。太陽を一杯に浴びて元気一杯。そしてとうとう可憐な花が。


吉兆だ。そう思い友人のHPにアクセスしてみると、骨折した両手の再手術が無事終わったとのこと。良かった。花も喜んでいる。

2018年5月18日金曜日

葉牡丹 縮葉甘藍 雪傘

母が注ぐのは水だけでなく愛情。だから植物が長持ちする。この葉牡丹(写真花瓶内3本の植物の中央)は昨年末に新年を祝う為に求めたもの。5ヶ月一緒に暮らしたことになる。

アブラナ科。別名牡丹菜、阿蘭陀菜。ornamental cabbage, ornamental kale, flowering kale。宮沢賢治は「縮葉甘藍(ケール)」と記すこともあったという。花言葉は祝福、利益など。「紅白」の目出度い色、葉の中心(色づいた部分)を赤ちゃんにみたて周りの葉が包むことから「祝福」。三国志の諸葛孔明が食用としたキャベツに似ていることから「利益」。

いろいろな種類があるが、こちらは「雪傘」という種。この写真からは信じられないが、儚げな薄紅色が美しく、名前がしっくり合う。薔薇ともトルコ桔梗とも違う柔らかな夢見るような色調が忘れ難いが、今のこの季節には若草のような緑が眩しく嬉しい。




2018年5月15日火曜日

オリーブの花 知恵と勝利と平和のシンボル

母の空中庭園の原点と言えるオリーブ。

マンションが大規模修繕で半年以上ベランダの木々を1Fの玄関前に置いておかなくなった時、それまで丹精込めて育てた植物を全て手放した。その中でこのオリーブだけはどうしても離せず1Fの共有保管場所で育てた。漸く各室に戻せるようになり母の空中庭園に今また戻ってきた。今は白い小さな花を咲かせている。



モクセイ科・オリーブ属、別名オリバ、オレイフ。阿利襪橄欖(かんらん)の字が当てられることもあるが別の植物とのこと。花言葉は「知恵」「勝利」。ギリシャ神話が由来で、エーゲ海沿岸の町を海神ポセイドンと女神アテネが争い、全知全能の神ポセイドンが「最も人に役立つ贈り物をした方が治める」と言い渡した。ポセイドンは戦いの勝利に資する「馬」を、アテネが薬効ある「オリーブ」を植え、人々はアテネの贈り物を喜んだとのエピソード。

この他「平和」の象徴ともいわれ国連の花ともなっている。こちらは旧約聖書の「ノアの方舟」に由来する。神々が人間に与えた大洪水の罰に、唯一信心深いと助けられたノアと動物が方舟に避難。ノアが地上の状況を調べるために放った鳩がオリーブを持ち帰ったことで洪水の終わりの知らせを知ったという話。



藤城清治のノアの方舟より。鳩が運ぶオリーブが描かれている。

我が家の空中庭園にも知恵と平和が花咲きますように。


2018年5月13日日曜日

紅花 末摘花 

あまりに生命力溢れる緑の鮮やかさに惹かれ母が購ってきた。紅花は今までにもなんども飾って最後はドライフラワーにして楽しんできたものだが、これほど生き生きしたものは初めて。写真は今まで飾っていた胡蝶蘭の花瓶に一緒に活けたもの。自分であれば絶対に考えもつかないだろうが母にかかればこのとおり。意外なコンビネーション。


紅花はキク科でサフラワーともいう。花を愛でるだけではなく、食用油、染料としても使われ、また、乾燥させた紅花(こうか)は血行促進剤としても使われ養命酒にも含まれるという。花期は6-7月というが誕生花としては10月30日の花。花言葉は「情熱」。

別名末摘草とも呼ばれる。源氏物語に「紅い鼻」からちょっとユーモラス?なあだ名をつけられた常陸宮姫の章があったことを覚えている人もいるだろう。

なつかしき 色ともなしに 何にこの末摘花を袖にふれけむ

2018年5月6日日曜日

オリエンタルリリー うるわしの白百合

GWは連休という気持ちの余裕と天気の良さから、ほぼ毎年学生時代の友人と会っている。民族衣装のようなスカートを穿いて元気に現れた彼女と旧交を温めた。骨折以来、何となく全て自重する方向に意識が向いてしまいがちだったが、久々に溌剌とした会話に気持ちも開放的に。楽しいひとときだった。

春に会う花百合、夢路よりめさめて、かぎりなき生命(いのち)に、咲きいずる姿よ、うるわしの白百合、ささやきぬむかしを、百合の花、百合の花、ささやきぬ昔を。

彼女がよく学生時代口ずさんでいた歌だ。その頃は我が家では百合を飾ることはなかった。父が可憐な花が好きだったからだろう、大きな花を活けてあった記憶がない。

しかし、数年前に母が近所の方にいただい百合があまりに見事で、それ以来我が家でも時折飾るようになった。百合が咲くときの、力一杯としかいいようのない生命力の眩しさに惹かれて。まさに歌詞のとおり。白百合の花言葉は「純潔」「威厳」。


2018年5月3日木曜日

ローズ・ゼラニウム 蚊嫌草 匂い天竺葵

友人宅に招かれて、連弾を楽しんだあと、3Fにある開放感のあるベランダでご馳走になった。家の外に植えてあるレモン・ユーカリが3Fにまで届きさやさやと音を立て、ベランダには様々な草花がところ狭しと育っている。都会の真ん中で、思いもかけず森林浴の時をいただいた。

昨年お邪魔した時に、暑い中疲れたでしょう、と出していただいたのが、ローズゼラニウムのお茶とミントの香りのするお手拭。洒落た心遣いが強く印象に残った。このベランダで再会したのがそのローズゼラニウム。お願いして一枝分けていただいた。今は、我が家の母の空中庭園の一角に。

ローズゼラニウムは17世紀後半に南アフリカからヨーロッパに渡り、その葉にバラのような香りがすることからこの名がつけられたという。繊毛がありやわやわとした見た目であるが、実は寒暖や乾燥に強いらしい。イギリスでは女性がドレスにこの香りをうつして楽しんだという(NHKテキストから)。香りがよいことから精油は「ゼラニウム油」と呼ばれ、また蚊など虫よけにもなることから蚊嫌草との別名も。見た目は繊細で、でも実は生命力が強く、人を薔薇の良い香りで魅了しながら、蚊は寄せ付けない。両極端な特徴を内包した魅力的な存在。花言葉は「選択」「恋煩い」。