2021年5月30日日曜日

キャリコン リモート会

 キャリアコンサルティングの講習で知り合った人達と、LINEでつながっているのは、嬉しいことだ。ふらっと情報共有されたり、今回のようにGWあとにリモート飲み会しようと言い出してくれる人がいて、近況を報告しあうのは格別嬉しい。

年齢も20代から60代まで。人事関係が9割以上だが、親の会社を継ぐからとか、人事にくるまでは技術系だったという人も。人事関係といっても私企業も、官僚も、大学関係者も。普段会話しない人達と、3か月コンサルティングという講座故に、自分を(程度こそあれ)さらけだして必死に一緒にぶつかった人達だからこそ、腹を据えて話せることがある。

とはいえ、今回のリモート飲み会はそんな過去の講座や勉強会とは一線を画して、あれからどうしてる、何してた、プライヴェートも含めて、やっぱり飲み会だ! 結婚した人も、お子さんが増えた人も、資格を取得して早くもコンサルティングした人の苦労も、まだ資格を取得していない人の話も。

刺激になった。講習後もこうやってお互いに繋ぐには、それぞれに意志が必要だし、その意志を繋ぐ為に労力をかって出て下さる中心人物も必要だ。それぞれに感謝を。

2021年5月29日土曜日

ベートーベン ソナタ 17番第3楽章(4)

今日はいつもの先生のレッスン。前回のフランス音楽講座での指摘を共有し、一緒に対策を検討。

通しで弾いたあと、ペダルをきちんと切ることと、フレーズの頭の部分の発音を明確にすることがメインで指摘いただき、なおしていった。どうしても当人は弾くことで手一杯で、特にペダルの濁りや音の明確さといった細かいところはおざなりになってしまう。悪いことに意識がおざなりだと、耳もそれに慣れてしまい、気が付かない。第三者の耳というのは、通常のビジネスでも大切だが、音楽でも同じだ。


今年は、紫陽花が開くのが早すぎ。もう、次々に、スタンバイ!と言っているように見える。


2021年5月24日月曜日

ウィーンの香り

デュオポッキーズの友人から、「このベッドにオーストリアが眠っている」と表されるザッハーホテル直送のザッハートルテをいただいた。彼女はコロナ流行前はよく夏はウイーンの音楽大の講座を受けに訪れていた常連さんだ。

宰相メッテルニヒに仕えていて、このザッハートルテを考案したフランツ・ザッハーが、息子と共に設立したのがザッハーホテル。ウイーンの中心地、国立歌劇場の近くにあり、世界お要人が音楽や芸術を楽しんだあとに泊まることからオーストリアが眠ると言われたそう。


ホテルとして有名なだけではなく、このザッハートルテ自体も、王宮御用達のデメルにレシピがわたったことから、長年「本家」を巡って裁判争いになったことでも有名。最後には勝訴し、「本家」と名乗れるようになったという。「オリジナル」と誇らしげに記すのもうなづける。

さて、お味は。ブラックチョコレートにカカオの香り高いスポンジ。食べてみるまでわからないが、アプリコットジャムがアクセントに入っていて、濃厚。ウイーンの香りがした。

因みに、このザッハートルテを曲名にまでしてしまった作曲家すら居る。オーストリアのピアニスト、指揮者であり作曲家のペーター・クロイダー。このワルツ、聴いてみると骨太で、濃厚なこのトルテをよく表している。

今まで一度もウイーンは行ったことがなく、一度は訪ねたい地だ。シューベルト、クライスラー、マーラー。音楽だけではない。ザッハトルテの香りに誘われて、久しぶりに旅に出たくなった。

2021年5月16日日曜日

母の日に

週遅れになってしまった話題だが、いい詩を見つけたのでご紹介。

昨年谷川俊太郎氏が雑誌「With」に書き下ろしたものだそうだ。

自分を贈る

母の日に

花を贈るのを忘れてもいい

母の日には

あなた自身を贈ればいい

(略)

あなたが誕生した日

母はあなたに世界を贈ってくれた

この世界のどこかでずっと

母はあなたとともに生きている

(略)

妹からの花。
このほかにもいろいろ生活の助けの品のプレゼント。
椎茸の煮物、インゲン焼き。身体に良い手作りの料理も。

こんなにいろいろしなくていいのに。
と母は言うが、大切に父の遺影の前に花を飾り、料理は何度も大切にしながらいただいた。母の日に。気持ちのこもった贈り物。

こんなにいろいろしなくていいのに。
でも、多分、これは母にとっての勲章。
もし受け取ってもらえたら、それは私達の勲章でもある。

感謝の気持ちが言葉や、笑みや頷きで、他の人に伝わるものであれば、母の日にかかわらず、自分自身の気持ちの一片を、母や、他の人に伝えられれば、どんなに良いだろう。

2021年5月9日日曜日

ベートーベン ソナタ 17番第3楽章(3) フランス音楽講座

今日はフランス音楽講座。

フランス音楽ではないものの、事前にお願いしてテンペスト3楽章をもっていった。

なんと、最初の一小節目で。このスタッカートはこの楽譜に書かれているとおり短く切るべきか。私がもっていったウイーン原典版/エキエルはどこまでベートーベンの自筆に近いのか、或いは変えているのか。その時代の楽器や弾き方を考えた時に、この楽譜の通り短く切って良いのか。ベートーヴェンのスタッカートについてだけでもいろいろ研究があるようでその解釈は次回までの宿題となった。

写真は 上から ヘンレ版、エキエル版、全音版。


ヘンレ版は参考に購入していたもの。少なくともスタカートは私が練習していたエキエル版と同じ。一番下の高校時代に弾いた全音版は、あの頃の表記で普通のスタカートの印。




2021年5月5日水曜日

水暮れて

GWも終わり。やろうと思っていた勉強は一切やらなかったけれど、なかなか普段できなかったこともできたし、仕事のことを一切忘れて休んだ。

今まで、正月休みも、GWも、夏休みも、輸出営業は客と休みが合わないので、結局短時間でも必ずチェックしていたが、今回は止めた。最近、仕事のことを考えると眠れなくなることが多く、切り替えが上手くできなくなってきたので、今までのやり方を変えてみることにしてみた。そうしたら眠れること。ステイ・ホームで十分リフレッシュできた。

嬉しかったこと。デュオポッキーズの友人とWEB飲み会。本当はこの時期、いつもなら連弾の曲を決め、練習弾き始めの会 兼 飲み会をするのが例年だったが、今年はぐっと堪えて。だが話は右に左に、前に後ろに逸れて、彼女の話題の多さに呼応してエキサイティング時間だった。また、高校時代の友人ともメールでお互いの近況を確認。彼女ともGWには毎年必ず会っていたものだが。ただ、彼女とのメールや葉書のやりとりは、会った時の話題とも異なり、今読んでいる本や音楽についてお互い記すことが多く、同じ人とのコミュニケーションなのに結構違う面を知ることができるのが、面白く楽しい。

近くの海辺の公園にて黄色の菖蒲を見つけた。花言葉は消息、友情、音信。

水暮れて海の鳥来る菖蒲園 山口誓子

2021年5月3日月曜日

「途上国」日本の100年

緊急事態宣言下のGWは今年で二度目。コロナの広がりから約1年半。世界各国で同時多発という未曽有の危機に、各国の対応は千差万別で、「国力」というものが如実に表れてしまっている。この場合の国力とは従来言われているGDPや資源、人口、企業数、といったものではなく、政治力・人材といったものを含めた「実行力」だと思う。

ニュースで毎日、毎時間流れているように、日本のワクチン接種率は1%未満。イスラエルの62%は特別としても、米国39%、ハンガリー39%、カナダ24%。OECD37か国の中で最下位である。(4/20時点 Our World Dataより作成の高橋浩祐氏グラフ)

因みに、日本に住む伯父伯母十数人は全員高齢者だがワクチン未接種。一方、カナダに住む伯母、40歳代の従妹夫婦と3人は既に接種済。

何故日本はこういう状態なのだろう?日本という国はずっとこういう国力だったのだろうか。考え込んでしまう。

奇しくもそんなことを考えている時、突然、大先輩より本が届けられた。「『途上国』日本の100年」開国から高度成長まで(1860年~1960年)保倉裕著 三省堂書店/創英社

「はじめに」に日本の近現代史を整理してみたいと考えた経緯が記されている。「その第一は、日本の近現代史が、一つの発展途上国の近現代かの歴史であるということを再確認しておきたかったことである。(略)日本は常に「先進国」欧米への「キャッチ・アップ」と「外的」欧米からの攻撃という焦燥感と恐怖にさいなまれていた。(略)こうした日本の近現代史に関する自己認識は、日本と、中国を含むアジア諸国との鐘胆を考える上でも、重要な視点だと思えるのである。」「これまでの日本道筋をたどり、これからの日本の進むべき方向を考えるうえで、多少でも参考になるならば、これ以上嬉しいことはない。」

GWに少しずつ読み始めようと思う。


2021年5月1日土曜日

紅玉のコンポート 「アイ・ラブ・カナダ」 「世界映画名作全史」

90歳過ぎで一人で暮らしている伯母の体調が心配だと聞いた。緊急事態宣言下ではあるが、少し遠いものの同じ都内でもあり、顔を見に行ってきた。

行ってみたら心配していたよりも元気そうでほっとした。だが、内臓系の懸念点あり、検査もあり、病院通いで疲れていた。良いニュースは漸く重い腰をあげて介護申請をしてみようという気になってくれたこと。家族に、お国に尽くしたこの世代の人なので、国や人の厄介にならないよう、幾ら勧めても「申し訳ない」と言って申請しようとしなかったのだが。独りではそうも言っていられない身の危険を感じるようになったと言う。

この伯母と伯父は、共に私が子供の頃から甥や姪を可愛がってくれた。海の家へ連れていってくれたり、伯父が講演会の為にロシアに行けば、或いは夫婦でトルコに海外旅行に行けば、お土産と共に彼の地の面白い話をしてくれた。

そんな、仲睦まじい二人だったが、伯父が亡くなり。伯母が気持ちを振り切るように突然カナダに移住したのは、多分今の私と同じ年代だったかもしれない。あの当時、55歳からリタイアビザを取得できたと言う。以降、彼女が80歳前にまた日本に戻る迄、留学の時、旅行で、出張の帰りなどに何度もカナダの自宅に寄っては話をした。伯母は住んでいる間、地元の日系の新聞にカナダでの暮らしや感じたことを投稿し、それが一冊の形になっている。私も今でも読み返すと、あの時代のカナダの一端を知る者として共感するところが多い。(「アイ・ラブ・カナダ」猪俣満子著 社会思想社 下記写真はAmazonより)

一方、ステイ・ホームとなって以前より映画を見る機会が増え、また引っ張り出して通読している本がある。「世界映画名作全史」(猪俣勝人著 社会思想社 下記写真はAmazonより) 

構成は著者がピックアップした映画毎に内容が読める辞書形式。映画名、原作、脚本、監督、音楽といった基礎情報。映画のワンシーンの写真。著者の興味からなるトピックスや個人的な思い入れ等の導入部、あらすじ、批評が記載されている。

例えば「ゴッドファーザーPARTII」(略)「何か所かビドー(父)が成長し、勢力を拡げてゆくシーンがマイケル(息子)のありようと比較されていたが、それらはすべて名もなきイタ公と見棄てられたアメリカ社会の中での精一杯おあがきとして描かれようとしていたのではないか。(略)脚本、監督のコッポラ自身イタリア人であり、父のカーミン・コッポラの胸しみるような哀しいメロディの中にも、その差別された民族の哀しさがせつせつと訴えられていることがわかる。アメリカの半分を支配したといわれる巨大なる悪の組織マフィアの活動が哀しいのではない。そんな真っ黒い心の子を生んだイタリア移民の苦しい歴史が哀しいのである。カーミン・コッポラのメロディはそれを訴えてやまない。」

伯母に会ってくるならと、母はまだ痛みが取れない身体なのに、夜遅くまで赤飯を炊き、根菜を煮しめ、林檎のコンポートを作ってもたせた。深鍋にバターを。狐色になり、幸せな香りが漂う。紅玉のスライス、色付けの為の真っ赤な皮、レモン汁、シナモン、氷砂糖、そしてラム酒。煮たあとに皮を取り出すと、林檎は薄紅色に染まり、花のような優しい色合いになる。心身共に、栄養が行き届いて元気になりますように。