2019年3月23日土曜日

希望

桜開花がニュースを騒がした今週、週末の今日は冷たい雨が。水仙が雨に打たれて咲いていた。


桜もいいが、水仙の清冽な白も、心引き締められる思いがする。よくギリシア神話の「ナルシス」からくるNarcissusという学名が引き合いに出されるが、「希望」の象徴でもある。

何も彼も水仙の水も新しき 正岡子規



2019年3月17日日曜日

沈丁花 香りあるダフネ

馥郁たる沈丁花の香りに包まれて・・・。云十年前の在校生総代として卒業生を送った時の挨拶。この冒頭のフレーズは母の文で、その言葉を得ていろいろと立ち昇る思い出を語ることができた。

この3月は期末ということだけでなく、組織改正や人事異動、ビジネス上の話もありきつい。ふと家の下に咲いていた花の香りに意識が仕事から現に戻った。現とは今ここにいる自分と沈丁花。ギリシア神話のダフネに因む花の名。


2019年3月3日日曜日

弥生 雛祭り

昨年の2月は骨折し3月は寝たきり。同僚に迷惑かけまいと仕事ばかりし、身体が動かず家族に迷惑かけた自分を悔いていた。梅も見られず、見る余裕もなく。

それでも時間は経ち、今はまた以前のとおり早歩き。でも、去年骨折の時に、普段会社で話さない人達が「大丈夫?」「どうしたの?」と声をかけてくれた。通勤電車では誰も席を譲ってくれず怖い思いもした。通っていた病院では立ち行かなくなり、松葉杖で必死にリハビリの病院も探した。怪我のお陰で思いもかけぬ掛け声に勇気付けられ、憤りもし、気がつかなかった制度の落とし穴もみた。自分と同じ思いをしている人には声をかけよう、一緒に制度を変えようと思った。

今年は梅も見られたし、雛祭りの飾りも。健やかなることを感謝。雛飾りも、娘の健やかなるを祈る親心から生まれたのだろう。その祈りどおりになりますように。






2019年3月2日土曜日

B Barda / 「アンリ・バルダ 神秘のピアニスト」/ クロッカス / 春先の・・・

前回アシュケナージについて書いた。次はB?と思うとBで始まるピアニストは結構いる。アシュケナージと同様に指揮者でも大成した人ならバレンボイム?

この人のショパンのバラード1番、印象強い。自分が怖いもの知らずに1番を弾いたことがあるが、その時幾つかのピアニストの演奏を聴いた中の一人。硬派で自分の確固とした曲への想いがあり好きな演奏だった。が、テンポも速く、まあ、私が取り入れられる部分は殆どなく、憧れのみ残った。

青柳いづみこ氏の「アンリ・バルダ 神秘のピアニスト」という本。何度も読んだ。私にとって憧れという言葉でしか言い表せない「天井人」を、友人として、ピアニストとして、作家として、人間バルダとして表現している。

今、ラヴェルの「水の戯れ」を練習している中、「その日の圧巻は、ラヴェル「鏡」のレッスンだった。・・・夜蛾そのものの描写ではなく、それを眺める詩人や作曲家の同情心が滲み出ている、というのがバルダの解釈だ。」はラヴェルへのアプローチの参考、という平板な言葉ではなく、好奇心を搔き立てられる。ライヴ、行ってみたかった・・・。

今日は久しぶりの晴れ。春らしい陽射に、冷たい空気。ピアノレッスンに行こうと家を出た途端、クロッカスと目があった。crocus(「糸」のギリシャ後)、vernus(春咲きの)が学名。