2021年1月31日日曜日

雲のごとく彷徨う

The Daffodils

I wandered lonely as a cloud

That floats on high o'er vales and hills,

When  all at once I saw a crowd,

A host, of golden daffodils;

Beside the lake, beneath the trees,

Fluttering and dancing in the breeze.


雲の如くひとり彷徨い

ふと見ると、金色の水仙が湖水のほとりに、木々の下に、翻り、踊っている

(意訳)ワーズワース


二本の指でつかめるほどの細い花束だったが、近くを通りかかっただけで心浮き立つような春の香りがして、ついつい手がのびた。一週間経ち、もう花びらが透き通りそうになっているがそれでもそこはかなとなく香を発している。

早く春にならないかなと。雲のごとく彷徨うイギリス人ですら、ふと見つめてしまうほど、此の地だけではなく、彼の地でも春を感じさせる香なのだなと思う。

2021年1月30日土曜日

人の心の花

色見えでうつろふものは世の中の人の心の花ぞありける 小野小町

人の心は見えずに変わっていく。と男女の恋愛を詠んでいると解説される句だが、恋愛に限定されるまでもなく、小野小町の時代から、或いは人の形ができてからの人の心の移ろいは普遍的なテーマ。


我が家のベランダの草木は流石にこの冬の寒さに花をつけないので、父に切り花を買ってくるしかないのだが、今月は父が好きな薄紅色の花で蕾は柔らかな薄緑のトルコ桔梗が長持ちしてくれた。少し遠いが、手ごろな値段でいきの良い花を商っている小さな花問屋まで買いにいった甲斐があった。

この1月は、家族の体調も悪く、私自身 仕事に急かれてついとげとげしくなりそうになった。でも、花があるだけで心持ちが少し変わる。蕾が一つ緩み、色が薄緑から仄かに白くなって。境目がわからないのになぜかいつの間にか花びらが薄紅に染まっていく。数日かけて見事な一人前の花になっている。日々水やりながら、自分も一緒に変化しているような気持ちに。人の心の花、日々変化して、悪くないゾと思う。

2021年1月24日日曜日

2021年1月16日土曜日

縁起物

 われ富めり千両万両くれないに 山口青邨


買い物途上で見つけた縁起物。

2021年1月11日月曜日

年の始めに

毎年、元旦には何やら気持ちも新たに、今年の目標らしきものを考えるのだが、今年はそういう気が起こらない。

コロナ新規感染者数は、年明けすぐに2000人を超えた。

仕事始めの先週は、客先に確認しながらも受けていただくこと多く、年末にとったアポどおり年始挨拶に伺った。海外の客はロックダウンといった厳しい状況に身を置く方々が多いものの、その前からすっかりテレワークの人達が多くあまり仕事のやりとり自体は影響を感じない。日本と違い年末年始の感はもとからなく早速電話会議で商談開始。仕事は慌ただしく、何やら年の終わりと始まりの境を感じないうちに、なし崩し的にコロナ下で年が進んでいく。


初日の出 しだいに見ゆる 雲静か 夏目漱石

今年の目標は、特にたてるものではなく、また誰かに願うものでもなく、家族ともども無事にいられるよう、日々努める。これに尽きるのかも。

2021年1月3日日曜日

2021年正月

うっかりと 元日の朝の 長寝哉 

正岡子規

いいな。こういう句を紡ぐことができる精神は、身体的に病気等縛られることがあったであろうに、だからこそ、心は自由に。そうしようとしていたのだろう。

であれば、私達も。

コロナの恐怖あるものの、できることは努力して、心は自由に。

我が家で、玄関に鎮座して、家を守ってくれている松や百合や牛。健やかにいられますように。モー!大丈夫!と言えますように。