2021年7月31日土曜日

夏の風物詩

昨年に続き今年も、五感が鈍ったかのように、夏の風物詩を感じないまま7月が過ぎてゆく。

夏休みに入り、いかにもプールにいく準備万端の子供達、一方で夏期講習に通い始める子供達。神輿の興奮さめやらぬ祭り人、浴衣姿を楽しむ観客。花火に興奮すして走り回る子供達、花火を理由に夕闇寄り添い歩く人達。

一輪の 花となりたる 揚花火 山口誓子


2021年7月23日金曜日

音にちりけり 雲の峯

今日は五輪開会式の日であり、スポーツの日。四連休だ!連休は嬉しいが、週3日に仕事が集中し、疲れ果ててダウン。商談が心配でスマホで会社の緊急の相談がないのを確認し、あとはただただ、ひたすら睡眠。

先日はピアノの先生にお誘いいただき、川崎シンフォニーホールといっても市民交流会だが、スタインウエイでテンペストの1楽章を弾く機会をいただいた。小規模だが、規模にあったピアノでとても音響が良く、気持ちよく演奏することができた。ただ、思わぬところで暗譜落ちをし、前半は落ち込み。思い切った後半は音楽に没頭でき、コントロールしながらも感情を込めて弾くことができたと思う。私自身が音楽を聴くときはプラス思考なので、良い部分が良ければ加点するが、コンクール等点数や順位を分かり易い基準で明らかにしないといけない場は基本的には減点主義だろうから、こういう出来ではマイナス甚だしい状態と言える。はあ。なかなか演奏レベルが安定しない。

ソロ以外に嬉しい企画は、希望者は先生と連弾もできるので、お願いした。本当はクラシック音楽が順当なのだろうが、私のお願いした曲はピアソラの「デカリッシモ」。なんと本番の2週間前に楽譜を送り、2回30分程度あわせただけ。でも、とても楽しかった。今年はDuo Pockeysの連弾は見送ることになったので、合わせる楽しみを味わう機会なくとても寂しかった。今回はたった2回の練習と本番だったが、人と合わせて音を創り出す楽しみをあらためて味わった。


母の体調が少し戻ってきたので漸く先週から復活させた早朝散歩。通り抜ける近くの神社では、風鈴が下げられていて、ちりちり、と綺麗に鳴っていた。

風鈴の 音にちりけり 雲の峯 正岡子規

2021年7月17日土曜日

新盆 収穫のおすそ分け

東京では新盆が終わった。店頭にはまだほおづきや菊が並ぶ。

墓参りに行こうと思っていたが、今日は疲れ切って動けなかった。

いきなりの夏空に、つい先日までは梅雨だ、ゲリラ豪雨だ、と言っていたのに、見えるのは入道雲。聞こえるのはやかましい程の蝉の声。こういう夏の日、そういえば父は会社は土曜日が半ドンだったのに結局残業で夜に帰宅していた。それでも普段よりはずっと早い時間帯に帰れるから、実に嬉しそうな顔をして、汗をふきふき、声も高らかにただいま!と言って玄関に入る。働いて働いて、週末を迎える気持ち、今ならよくわかるのだが。あの頃はただ、父の弾む声に、今日は土曜日なのだなと感じた。

水を浴び、着替えたら、母が急ぎすいかを出す。父は真剣な顔で塩を少量降振って、生き返ったようだと言う。時には、子供達にちょっとしたお土産があることも。舟和の芋ようかんだったり、コロンバンのワッフルやアップルパイだったり。

まだ夜の帳が下りる前、夏だから夕焼けが消えきるかどうかという時。熱い日差しの名残も去り、ふっと風が通る頃。菓子箱をあけて歓声をあげる子供達を満足気に眺める父。数十年も前なのに、夏の夕べの風が通り過ぎるとき、家族が集まった時の幸せの記憶が蘇る。

友人から、市民農園に通ってつくったというじゃがいもをいただいた。ころころと、大地の栄養を吸い尽くしたかのようになんだか元気のいい姿だ。友人が育てる間注いだ時間と労力の結果がここにある、自然の力と友の気持ちをおすそ分けいただいた。

2021年7月4日日曜日

久しぶりのホールでの演奏

自治体のホールでスタインウエイを演奏させてもらった。

時間は短時間だったが、思いきり弾くことができて楽しかった。

自宅はマンションなので、マンション規約よりも厳しく律した時間内で練習するようにしているが、それでもやはり遠慮して弾く。思ったように、ホールで響くような音を出す練習はできない。部分練習は消音にしているので、リアルな音でのペダルの調整もできていない。

だから、今日はホールで弾けるのだから、音が響くような腕の使い方、ホールにあった(響きすぎる?響かなすぎる?)ソフトペダルとダンパーペダルの踏み方。ペダルを外した時の生の音が乾きすぎていないか、もっと指を押し付けて圧着した感じがでた方がいいか。いろいろ試したいと思っていたのだが、そんなこと忘れて楽しんで弾いた。

これは山胞子?アイヴォリーの色が美しい。ピアノは以前は象牙でつくられていたので白鍵はこういう色だった。少し黄なりのやさしい色。