2023年6月25日日曜日

スタインウェイとのひととき

贅沢なひとときだった。

訳あって、1時間スタインウェイを独り占め。

いきなり今弾いている曲を弾くのは勿体なくて、バスだけ弾いて響きを楽しんだ。次にメロディだけ弾いて一緒に歌ってみた。そして一緒に合わせてみると華やかで、劇的で、いつもの自分ではないようだ。さしずめ、灰被りの少女がガラスの靴を得て踊り出すかのよう。

とはいえ、消音のピアノにして、マンションのまわりを気にしながら弾いている身としては、身体が縮こまっていて、スタインウェイからしたら不本意なタッチだろう。もっと力を抜いて、自然に鍵盤を鳴らしてみよう。腕をもっと高くから落としてみよう。肩甲骨まわりをストレッチして、もっと上からピアノに触れてみよう。

何度も試してみると、一回だけ音がポーンと伸びた。

だが、一時間はここで終わり。

掴めたと思った音は虚空に消え。

でもこんなもの。日々これだけを極めるべく生活をしている訳ではない自分には、今日の体験はタナボタ。

贅沢なひとときだった。

2023年6月18日日曜日

滋味滋養

明日届きますと友人から。

彼女が大切に育てたじゃがいも達。無事今日届いた。


始めた頃からいただいているが、今年はまたひときわ大きな立派なじゃがいもに。勿論ころころ子供のようなサイズもあり、さしずめじゃがいもファミリーだ。

ここ最近ともに体調を崩している母も、夕食にいただきたいと言ってくれた。嬉しい。蒸して塩をパラパラと、バターをたっぷり乗せる?それともオリーブオイルでこんがり黄金色に焼いてローズマリーの香りづけ、黒胡椒をたっぷりと。ガレット風に焼いてもいいが、シンプルな料理法が一番味をひきたててくれそうだ。

滋味滋養。心も身体も豊かにしてくれる贈り物。有難い。

2023年6月17日土曜日

フランス音楽講座 フォーレ ノクターン 第2番

美しい曲だが、メロディーの心地よさだけでは薄っぺらに聞こえる。

また、美しいメロディーの下には、アクセンとだらけのごつごつした別のテーマが疾走する。ノクターンを「夜の調べ」として優しく甘く捉えようとするとそこで行き止まりになってしまう。

練習不足のまま、それでも泥縄でどうにかまとめて臨んだ講座。通しで弾き終わると、先生は考えながら、若い頃のフォーレがオルガン奏者としても働いたことがあること、バスの大切さなどコメントいただいた。

そうか・・・。サロン風に綺麗なメロディーのみ意識して弾いてしまうと、フォーレが描きたかったハーモニーの移り変わりや、それを主導するバスの動きが表現しきれないということか。

ピアニスティックに綺麗にキラキラ弾くこともできるが、別の道も彷徨ってみよう(できるかどうかは別として)。

パイプオルガン風に弾いたらどうなる?弦楽器、ヴァイオリンとチェロで弾いたらどう引き分けられるだろう。

想像力の冒険。自分次第でいろいろな道に分け入ることができる。それが音楽の楽しみの一つなのだろう。


2023年6月11日日曜日

My way

シナトラが歌う。

But through it all, when there was doubt
I ate it up and spit it out
I faced it all and I stood tall
And did it my way.

全部やった、疑いがある時は
食らい吐き出しもした
全てに向き合い 堂々と立ち向かった
私のやり方でやってきた。


こんな風に言える人がどれだけいるだろう。

同じ職場で背中を追ってきていた先輩が、第二の職場を卒業された。お祝いの日。少し休まれるかと思いきや、国家試験を受ける、次の職場を決めた、矢継ぎ早のお話に、こちらがついていけないほど。

私の好きなこのシナトラの歌、できることなら、まさに先輩のようですねと弾きたいところだったが、そういうシチュエーションでもなく。帰り道そっと口ずさんだ。

2023年6月4日日曜日

青梅落つる嵐哉

天候が荒れると体調が乱れる。

私は鈍感だから良いが、家族は繊細ですぐに影響を受ける。

どんなに日々身体に気を付けていても、努力ではどうにもならない虚しさ。


よもすがら青梅落つる嵐哉 正岡子規