ラベル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2022年4月2日土曜日

旅の記憶

職場の異動が多い季節。

私自身は異動なかったものの大きな業務分担があり、短時間での引継ぎ、引き継がれ。WEBも対面でも歓送迎会ありあっと気が付いた時には年度が変わっていた。

そんな中、とても楽しみにしていた会食あり。職場の先輩で、勤務先が変わってもおつきあいいただいている。今回は以前からご一緒したかった地元のイタリアンで。

職場の話では私がヒートアップして話をしても笑って聞いていただき、気が付くと趣味や勉強のこと、と話題がつきない。

その中でもイタリアへの旅の話になると、止まらない。行きたい美術館数多あり、博物館だって捨て難い。塩野七生さんの本はどこまで読んだ?

イタリアに旅した時、どんな薫りが、匂いがしただろう。シチリアでは潮、海。鰯を焼く匂い、レモンの薫り。ミラノは皮工房での獣と油のにおい。ヴェニスは運河の湿った空気感。

先輩はミラノで気に入ったビスコッティの話。そうそう。食事ならこれも、あれも・・・。

五感で旅を楽しんだ時の記憶は文字通り何物にも代えがたく、人を結びつけるものだとあらためて思った。


2021年5月24日月曜日

ウィーンの香り

デュオポッキーズの友人から、「このベッドにオーストリアが眠っている」と表されるザッハーホテル直送のザッハートルテをいただいた。彼女はコロナ流行前はよく夏はウイーンの音楽大の講座を受けに訪れていた常連さんだ。

宰相メッテルニヒに仕えていて、このザッハートルテを考案したフランツ・ザッハーが、息子と共に設立したのがザッハーホテル。ウイーンの中心地、国立歌劇場の近くにあり、世界お要人が音楽や芸術を楽しんだあとに泊まることからオーストリアが眠ると言われたそう。


ホテルとして有名なだけではなく、このザッハートルテ自体も、王宮御用達のデメルにレシピがわたったことから、長年「本家」を巡って裁判争いになったことでも有名。最後には勝訴し、「本家」と名乗れるようになったという。「オリジナル」と誇らしげに記すのもうなづける。

さて、お味は。ブラックチョコレートにカカオの香り高いスポンジ。食べてみるまでわからないが、アプリコットジャムがアクセントに入っていて、濃厚。ウイーンの香りがした。

因みに、このザッハートルテを曲名にまでしてしまった作曲家すら居る。オーストリアのピアニスト、指揮者であり作曲家のペーター・クロイダー。このワルツ、聴いてみると骨太で、濃厚なこのトルテをよく表している。

今まで一度もウイーンは行ったことがなく、一度は訪ねたい地だ。シューベルト、クライスラー、マーラー。音楽だけではない。ザッハトルテの香りに誘われて、久しぶりに旅に出たくなった。

2020年4月18日土曜日

緊急事態宣言の週末 ユスルナールの靴

数都市ではなく全国に発せられたのが今週だが、その週末。関東は暴風雨、竜巻、そして地震もあった。ここ数年で台風や大雨、地震の被害に遭われた人は、過去の記憶と今のコロナとでより心細い思いをした方も多かったろう。「家に居るように」というのが合言葉になっているが、「家」が安全な場所であり続けますように。


この「家」のミニチュアが可愛い磁石は昨年、デュオ・ポッキーズの友人にオーストリア土産にいただいたもの。彼女はハードに働いて、でも出来る人ならではの切り替えの早さを発揮し、よく旅行に行かれる。時々夏休みを利用してウィーンでピアノのレッスンを受けに行って、その時の土産話もしてくれる。この夏までに、そういう日が戻ってきて欲しいもの。

私はテレワークの今週、通常勤務より通勤がない分疲れていないと思っていたが、寝ても寝ても起きれず、寝てばかりとなってしまった。今は、身体の抵抗力を保持するのが大切かなと自分を甘やかせて読書。

以前、尊敬する人が三人いると、緒方貞子さん逝去の際に記した。もう一人が、須賀敦子さんだ。残念ながら彼女が亡くなられてから知った。プライヴェートでイタリア旅行に行こうと思って、イタリアに関する本を乱読していたときに「ユスルナールの靴」に出会った。

「きっちり足に合った靴さえあれば、じぶんはどこまでも歩いていけるはずだ。」という文で始まる。イタリア在住、イタリア文学研究や日本文学の翻訳家。ミラノで夫ベッピーノと暮らし、友人、家族との関わり、イタリア文学について記す。知識不足でイタリア文学については分からない部分も多々あるが、その静謐な筆致を辿りたくて時折開く。

「トリエステの坂道」の本を頼りに歩きたくて、トリエステの町に滞在したこともあった。ミラノに行く時には「ミラノ 霧の風景」、ヴェネティアのゲットを訪れる「地図のない道」も。

最後に手にとるのは「こうちゃん」。酒井駒子さんの画と共に心に沁みゆく絵本。雨がトントンと音を降ってくる午後、一杯に本を広げて気持ちの赴くまま読む贅沢さ。本当に有難い時間だ。

画像はAmazonから

2020年1月4日土曜日

アダモ 雪が降る

とタイトルを書いたが、アダモの唄うこのシャンソン、ご存知の人は少なくなっているかもしれない。だが、多分、メロディーを聴いたら、なんだか聴いたことあるかも、と思われるのでは。

年末のフランス音楽講座ではプーランクの即興曲11番と13番をもっていった。11番はフランス版「金平糖の踊り」のつもりで、前半はペダルを使わず(あくまで脳内想像では)軽やかなスタッカートでバレエ風に・後半はペダルを一瞬利かせて対比を。

13番は、唄うことを目的に練習。曲は好き、唄いたいけれど、何故うたえないのか。そんな私に、フランス音楽講座とは別に通っているピアノの先生は、楽譜に忠実に各声部での弾き分けを徹底させる。そう。この基本ができていないと、思いをぶつけてもワンワンいうだけでこぶしが聞こえない。分かっているのだが、でもその「基本」が難しい。右手でメロディーと内声を弾き分けるのだが、メロディー部分は指をたてて硬めに。内声は寝かしてやわらか目に。一つの手で二声部を弾くだけでも攣りそうなのに、音もかえて横のラインを繋げていくのは、技術がない者はやはり練習を重ねるしかない。

フランス音楽講座では、先生から「この曲はこぶしよね」と。先日シャンソニエに行かれた際の話しをしていただいた。そうだ。この曲はシャンソンだ。詩が乗る唄だ。

そこでデュオポッキーズの友人から「アダモの雪が降るに似てませんか」とのコメントが。おお。そうなのです。この13番の上がり下がるメロディーはまさに、上がり(雪が降る)、下がる(あなたはこない)にピッタリ。

先生も大笑いで同意され。
そしていかにメロディーをピアノで唄うが如く弾くことが難しいか、若い頃1フレーズを公開レッスンで1時間それだけレッスンしていただいたこともおききした。
自分自身、メロディーを、ピアニストとして(アマチュアだとしても弾いている時間は聴衆に責任がある)、聴かせられるか、という課題意識を抱えていただけに、先生ですらそれだけ努力されているのなら自分は生涯終わってもずっと頑張るしかないのだと納得。


正月のコスモクロック。今まで何度もみてきたがこんなにキラキラと輝き指輪のような時ははじめて。嬉しくて御紹介。

ピアノを弾く時も、一部でも良いので、きらきらっと光る部分を表現できたら。きかせるべきツボでこぶしをきかせられたら。

2020年1月2日木曜日

令和初の正月に 

思い出深い地にやはり足が向く。

今は昔・・・。

「みなとみらい」と呼ばれる桜木町は、まだ開発途中で、ひらがなの名前もなんだか薄っぺらく感じられ、駅前はぺんぺん草とコスモスが揺れていた。桜木町という良い名前がありながら、なんだかなあ、と思ったのだが、今歩くと「みなと」という土地と「みらい」と夢を託した言葉がしっくり馴染んだ土地になったと思う。名前負けならぬ、名前が都市の未来を形創るようだ。


早朝、陽が上ってきた。
今年も佳い年になりますように。

2019年11月1日金曜日

アイスランド

友人が突然「行ってきた!良かったよ!」と。

アイスランドに行ってきた?

北欧は、いつか行こうと思ってとっていた。仕事でデンマークとスウエーデンは駆け足でいったが、いつもの如く空港と工場の往復だけだった。どんなところ?と聞く前に、どん!と分厚いチョコレートをお土産にいただいた。

包み紙はインパクトのある火山?溶岩?だ。


アイスランド?
折角だから土産「話」の方もとねだって、アイスランド冒険談を食事をしながら聞くことに。

きけば、北海道と四国をあわせた位の国土に35万人が住んでいるだけ。同じ島国、火山が多く存在し温泉も。と聞くと親近感も湧く。だが、現金比率は1%と、日本との違いも目だつ。金融国家だったが世界金融危機でアイスランド・クローナが暴落し、これが瓢箪から独楽で、「漁業とアルミの輸出に有利に働いた(Wikipedia)」とのこと。旅行した彼女に拠ると、物価も高いし、人も少ないし、何をして食べているんだろう?と心配したが、結構IT企業が入ってきているらしいとのこと。夜6時頃にはしまってしまうレストランで隣り合わせた人達(外資系ITの人達が出張できていた)と話をした情報。

写真を見せてもらうと、滝に滝に滝に奇岩。荒々しい自然しかないかと思うのだが、それがかえって私達の日常にないもので、原風景を思い出したような気がしたと。最後までオーロラは見られなかったけれど、また行きたいと熱く語っていた。

心をかきたてられる旅先候補に出会ってしまった気分。




2019年1月6日日曜日

私は左手のピアニスト

この正月はいい音楽番組をきけた。1/5の駅ピアノ マルタ、チェコ。ピリオド楽器によるショパンコンクール、調律師のショパンコンクール、そして本日夜の「私は左手のピアニスト」。

特に心に残っているのは、チェコの駅ピアノを弾いたロマの人が、弾かずにはいられないと表した言葉。正確には覚えていないが、生きていく為に弾くといった内容。その曲は耳をついて離れない。ピリオド楽器によるショパンコンクールでの川口さんの「フォルテピアノの音を聴いた時、これだ、と思った」画家が求めていた絵の具?と邂逅した時のような喜びの表現を聴き、強く求める者だけが出会えるものは確かにある、と思った。強く求めても出会えないことが多いが、少なくとも求め、続けて努力しなければ少なくとも、出会えないのだろう。そして出会っても出会ったと認識しない人も多い。川口さんはそれまでの努力が実を結んだ、運を引き寄せられた人なのだろう。

今晩の「左手のピアニスト」はそれぞれの表現力豊かな音色に心が動かされた。最初の音が響いた時に、祈りの音、勝ちに行く音、それぞれの気迫の音に圧倒された。


もう仕事始めも済んだ。佳い年末年始の休みは終わり。私も自分の全力をかけての仕事にまた戻ることになる。

2019年1月3日木曜日

陽と月と 海と船と 

暮らしていた時にはいつも歩いていたからみなとみらいを俯瞰することはなかった。


今回は高いところから見ることができて、はじめて、太陽のような観覧車と、月の形のインターコンティネンタルホテル、海と帆船が彩るランドスケープの美しさが見えた。


高層建物が連立する訳でもなく、海に寄り添う灯りもやさしい。人にはそれぞれ心がもどっていく故郷があるだろう。私にとってここは還ってくる場所である。

2019年1月2日水曜日

2019年正月 みなとみらい

横浜は10余年住んだ懐かしい街だ。年の始めに父の好きな帆船を見に行った。


久しぶりに散歩。住み始めた頃は桜木町の駅前は空き地にコスモスが揺れていた。今は駅を出ればコレットマーレ、動く歩道に乗ってランドマークタワー、クイーンズスクエアー、そこを抜けて海まで歩く。正月の澄み渡った青空が眩しく心も浮き立つ。

年新た 心新たに つつしみて 山口青邨

平成最後の31年、2019年がよい年となりますように。

2018年10月21日日曜日

彫刻の森美術館 人とペガサス カール・ミレス

10月になってしまったが夏休み2日目をとって彫刻の森美術館に家族旅行に行った。台風を縫って希少な普通の天気に恵まれ、それだけで有難く思えた。

彫刻の森美術館は子供の頃も何度も連れてきてもらい、家族の思い出もあり、彫刻を見る楽しみと広大な緑の中を散歩する歓びがある場所だ。特にこのカール・ミレス(スウエーデン1875-1955)の彫刻家による「人とペガサス」はいつ来て見ても、ひろびろとした空を跳ぶ姿に魅せられる。彫刻だから見る角度によって見え方も違うし、見る時々の気持ちや心の綾も映し出されて、毎回印象が違う。


父が好きな彫刻で、毎回これだけでも数十枚写真を撮っていたのを思い出す。写真の腕は引き継げなかったが、何となく構図が似てきたような気がする。

2018年9月2日日曜日

リフレッシュ 那須高原

私だって夏休み。子供達に遅れてはならじと、8月に那須高原とんぼ返り。東北新幹線で一本、JR那須塩原駅からで便利だ。栃木県、関東内、近いからいつでも行けると今迄行ったことがなかった。


鶏頭の色鮮やかなフラワーパーク。あの丘の向こうには何があるのだろう?(ゲリラ豪雨で行けなかった・・・) 牧場から直行の新鮮なソフトクリームに濃い味のチーズ。涼しい高原の気、眼というか心に染みる森林、湯質やわらかい温泉。リフレッシュの時。