2023年5月5日金曜日

さわやかな夏と 連弾

GW恒例の連弾練習。今年も実行。

中田喜直の「日本の四季」から二曲をまた練習。季節も汗ばむ陽気で、春と夏に因んだ二曲だが、もう気分は夏である。

「さわやかな夏とむし暑い夏と」は上手く弾ければ劇的な効果があるものの、最後のフィナーレの「雨から台風に」が特に難しい。プリモが7連符、セカンドが6連符と音価もあわないし、各々が不協和音。現代音楽らしい「心地よくない」楽譜だ。下手をするとただ単に「合っていない」と思われてしまう。ここを地道にメトロノームにかけて何十回も練習した。「どうやっても合わない」楽譜どおりに弾けるようになってからメトロノームを外してお互いの音を聞き合って拍子感を合わせる。そうすると「合う」のだ。楽譜どおり「合わない音の連なり」になるのだ。そうすると数段曲の効果があがってこれらの不協和音がドラマティックに盛り上がり、最後プリモが一人で弾く三小節が嵐の去った静けさを印象付けられることに。恒例のスポコン練習はお互いにノリノリで終わった。

終わった後は楽しみのプチ打ち上げ。良い季節だからと彼女の家のルーフバルコニーで暮れなずむ空の下、おしゃべりとスパークリングワインを楽しんだ。手を伸ばせば背の高いユーカリの木に触れる。風にさやさやと葉が鳴るのを聴きながら暗くなるまで話の赴くまま談笑。


母にとお土産にいただいた花束。数年前に彼女にいただいて我が家に根付いたローズゼラニウムと共に。

2023年5月3日水曜日

3年ぶりのランチ会

GW前半、気持ちも浮き立つ初日。高校時代の友達と。

コロナ期間、皆で会うことができなかったが、この程再会。友人が手配してくれた美味しいシーフードのレストランにて。近況を語り合うだけで先ず1時間。会えなかった3年分を話そうとすればとても2時間程度では終わらない。今回残念ながら参加できなかった人も含めて、近々の再会を約して別れた。

後で高校を訪ねた人達から校舎の写真が送られてきた。赤いレンガのモダンな建物で、全教室にバルコニーがある面白い設計。卒業してから長い月日が経ったが、写真をみるだけで、その校舎に通った日々の心の動きを思い出す。赤いレンガに蔦が絡まり美しく、そんな校舎が好きだったこと。礼拝堂での時間が後から思えば精神的な支柱となっていたこと。小さな図書館で本を探して彷徨う時の喜び。学校帰りに禁じられていた甘味屋で友達とおしゃべりに興じた懐かしい光景。

友達から、知人が作っているというガーゼのハンカチと、「懐かしいでしょ」とトラピストのガレットをいただいた。このフランスの菓子は学園祭の時に人気NO.1で売り切れることもあった。帰ってすぐにあの頃学園祭の手伝いに駆り出されていた母といただいた。昔と同じにほろっと優しい生地にバターの豊かな香りが広がった。


2023年4月23日日曜日

歓迎

一気に需要家の来日が増えた。

ここ暫く毎週必ず客との会議、会食、工場見学対応。コロナ前に戻ったというよりは、コロナでせきとめられていた分、堰を切ったかのようだ。季節も春で良い時期だし。日本をよく知る客は梅雨になる前に、そして自分が夏季休暇に入る前に狙いすまして4-5月に殺到する。

今は藤の花が綺麗だそうだから、工場見学のあとみられるところは?と聞く客も。桜の花には遅いが、日本らしい花をみたいらしい。

そういえば藤の花には「歓迎」という意味の花言葉もあるらしい。アポ調整が大変だが、わざわざ日本まで来て下さるのだから、歓迎、歓迎。

紫の富士の花をばさと分くる風ここちよき朝ぼらけかな 与謝野晶子

2023年4月16日日曜日

フランス音楽講座 弾き合い会 そして「陽はまた昇る」

昨年に続いて講座の年度締め括りの弾き合い会。

デュオポッキーズの友人が幹事を務めてくださって、今年はスタジオを借りてスタインウェイで行うことに。プログラムもフランス音楽、日本の作曲家がメインの興味深いプログラム。

このフランス音楽講座が、入野賞コンクールで内外の才能を発掘し日本の作曲家育成、発展に寄与された入野禮子先生の音楽研究所の一講座であることから、昨年亡くなられた入野先生にお聴かせしたいと、今回日本の作曲家の曲も積極的に取り入れた。

好きな曲をもちよって並べてみると、なんと一曲だに重複していない。先生の、そして受講生の多様性がほのみえるよう。。ドビュッシー、ラヴェルは勿論、バロックのラモーの曲も。日本でいえば中田喜直、山田耕作と誰もが小学生の時から名前をきいた作曲家から、入野義朗、入野禮子先生、矢代秋雄、信時潔といった不勉強な私は今まで聴いたことのない方々の曲まで、本当に刺激的だった。

私自身は湯山昭「三つの自由画」から1.きつつきの歌 2.貝がらのヨット 3.ラッシュ ラッシュ ラッシュ そして連弾はデュオポッキーズの友人と中田喜直の二曲。講座にもっていった時は「湯山先生はとにかくエネルギッシュ。そんなやわらかく弾かないで。」とのコメントをいただいた。また、矢代秋雄氏については、現代音楽が日本に急に取り込まれた時代に「音楽には歌がなければいけない」との思いをもたれていたことなども補足説明いただき、その頃の音楽界の雰囲気に少し触れられた気がした。もっと日本の作曲家についても知って、弾けるようになりたい。

弾き合い会の地、受講生から先生に日頃の感謝を込めてワインをサプライズ・プレゼント。会の幹事を快く引き受けていただいた友人が選んだワインは、ココワイナリーの「陽はまた昇る」。ココワイナリーは私の高校時代からの友人から教えてもらって知った。日本屈指のワイナリーだ。足利の地にこころみ学園が昭和44年に設立され、学園の関係者がワイナリーを昭和55年につくり、今年はワインづくり30年目になるそうだ。

フランス音楽講座も開設29年から30年目の節目に向かって。日本人作曲家をメインにした引き合い会で、現代日本作曲界を牽引されてきた方々を偲び、同じように日本という土壌で西洋の生きる糧であるワインを根付かせようとしたワイナリーの産物をプレゼントに選ばれた友人の心意気の素晴らしさ。


2020年ものかはわからないが、「陽はあた昇る」の写真。ココワイナリーさんのHPから借用。

2023年4月8日土曜日

風いで来りけり

というよりも、春の嵐が続いている。

激しい風に、雨に、気圧の変化も激しく体調崩している方も多いのでは。この時期、正直 鉄の心臓の自分はさておき、気候が家族の体調に与える影響は大きい。

出張、外出、出社が急に増え、コロナ下のように家族の健康を見守る時間がとれず心配な時間が増えた。コロナ収束の合図と共に経済活動は戻ってきているのだろう。在庫だの特殊要因を見誤らないようにしつつも方向としては良い方向。だがプライヴェートではメリット、デメリットあり、なかなか単一の評価には落ち着かない。

デュオポッキーズの友人と、連弾練習。フランス音楽講座の一年の総集編、弾き合い会目指してラストスパート。またスポコン練習と、その後地元でナポリ風ピッツアとワインで景気づけ。練習を重ねるごとに、お互いにやりたいことが増え、音の対話も増え、曲にストーリーができてくる。こうやって一緒に曲を仕上げていくというのは、とても楽しい。贅沢な時間だ。

友人宅に咲いていた小手毬をいただいた。

小でまりの花に風いで来りけり 久保田万太郎

2023年4月2日日曜日

季節は廻り 筍

もう4月。

こんなにきつかった年度末も数年振りだった。

仕事では3月の人事異動を受け業務がまた増え引継ぎを受けながらの期末対応をしつつ、コロナ対策収束を受け海外の客が待ってましたと来日し、急にリアル会議や会食が連日連夜。

プライヴェートでは不覚にも風邪をひいてしまい、花粉症とのダブルパンチ。多分WEB含め、会議ではしゃべっているのか、くしゃみしているのか、まわりの人には判じきれなかったろう。加えて出社したり外出したりテレワークしたりで、ほぼ毎日重いPCと資料を持ち歩いた結果、とうとう右手の小指のつきゆびと手首の捻じりをやってしまい、右手のピアノの練習はほぼ一か月できなかった。フランス音楽講座もピアノレッスンも全部キャンセル。

散々な3月が終わり、心機一転して4月を迎えたいもの。はぁ。

今朝一か月以上ぶりに恐る恐る早朝散歩にいったところ、なんといつの間にか桜も葉桜になりかけ。季節の移り変わりもみえていなかった。

そんな中で、唯一3月に春を感じたのは。筍を二本いただいていて、それを母に料理してもらった時。母も体調悪かった3月だが、その時だけは少し調子持ち直していて、歓声をあげて一緒に筍の香りを胸いっぱいかいだ(私はあまりわからなかったが・・・)。

一本目。まずは王道の筍ご飯。我が家のベランダ菜園の「山椒の葉」をこの時とばかり摘んで添える。旬の甘い香りと複雑なハーブのインパクトが、忘れられない一膳となる。

下の少しかたいであろう部分はさつま揚げと出汁でやさしい味のさっと煮。二本目は、茹でて。熱々をマヨネーズにつけていただく贅沢さ。根本の少しかたい部分だけはきんぴらに。旬の筍をいただくと思うだけで、待ちわびていた春がきたことを実感できる気がして、この頃から漸く体調が戻ってきたような気がする。

箸あげて筍飯とつぶやきぬ 加藤楸邨


わかるなぁ。この気持ち。こんな短い文字数で共感を呼び起こす文字の力に讃嘆。

2023年3月5日日曜日

雛祭 春を待ちながら 連弾

雛祭の日。DUOポッキーズの友人と中田喜直の「日本の四季」の連弾練習。

1曲目の「春がきて、桜が咲いて」と4曲目の「さわやかな夏とむし暑い夏と」を再度さらった。ここ暫く「初春」をいきなり通り越して春爛漫な暖かさの日々も続き、本物の春を待ち望む気持ち募り、特にこの1曲目を弾くと心が軽く浮き上がるようだ。

とはいえ、この曲は「春」といって思い浮かぶ柔らかさや暖かさは描写されておらず、冒頭からメゾフォルテで始まり、桜が風に舞う景色はもの哀しい短調の和音を、しかもスタッカートで弾くように指示されている。全体的に日本人が思う春よりも楽譜上は強い書き方がされている。一方で冒頭の哀しい曲想は「桜横丁」という中田喜直の声楽曲からきており、透き通るような女性ソプラノで失恋を思わせる歌詞を謳った珠玉の小曲。

「想い出す 恋の昨日 君はこうここにいないと・・・春の宵 さくらが咲くと 花ばかり さくら横ちょう」

ピアノ連弾曲としては、やや強めの指示の楽譜に従うか、儚い恋への思いに曲調に合わせるか、いまひとつどのように弾いたらよいか迷う曲だ。4月の弾きあい会まではもう少し時間があるので二人で話し合ってつくっていきたい。

恒例のスポコン練習が終わると楽しい飲み会。友人には手伝いもしないで幾品か手土産をもっていくだけで申し訳ないのだが、また心に残るおもてなしをいただいた。

たてていただいた御茶(彼女は御茶の先生でもある)と湯島の梅の和菓子。ロゼのスパークリングで乾杯したあとは、緑濃いアスパラガスのお浸し。葡萄色のホタルイカ。黄金に光る鰆の西京焼きに薄紅色のスモークサーモン。蛤の潮汁に春の色とりどりの散らし寿司。そう、今日は雛祭。懐石料理のような逸品ばかり。

目を転じれば、彼女のお母様がつくられた雛飾りが。


この雛飾り三段全てで手のひらよりも小さいのに。人形のそれぞれの表情の活き活きと個性的なこと。愛らしいフォルム。美しい色彩。

母の雛 最も古りて 清くあり 原石鼎