この曲は前にも記したが、高校二年生の時に初めて弾き、40歳を超えピアノを再開してから一度日墺アマチュアコンクール(通称アマコン)にもっていったこともある。
奥深い曲で、その時々で感じることも、弾き方も、発見もいろいろある気がする。母が特に好きな曲なので、自分の体力の衰えも考え合わせ、今年で最後になるかもしれないと再度チャンレンジすることにした。
若い時の癖や、体力がないことをカバーする為の指使いに慣れてしまっているのを、今一度見直すところから始めているので、なかなか譜読みが進まない。自分の中で弾きたい像ができていて、そしてベートーベンの弾き方(フランスもののように軽いタッチや脱力を上手く使う、ことと一線を画す)に慣れるために、3楽章から練習を始めた。
今日はピアノの先生にみていただく再チャンレンジ1回目のレッスン。時間がなく2ページしか練習していかなかったので、まずはその中で弾きにくいところはどこですか?と。物理的な難しさと、弾き方の難しさと分けて伝えた上で、弾き方が難しい冒頭の二段をみていただくことに。アーフタクトではじまりスタカートで切れる一節。左は一音目ではなく二音目が延びる変則的な伴奏。16分休符をはさみ追われるように掛け合う右と左。たたみかける3回の繰り返しのあとに繰り出される和声の変化。どうすればこれらの特徴が示すストーリーを語れるか。結局この二段をいろいろ先生と対話して一時間のレッスンが時間超過で終わった。
自分よりも知識も表現手法の経験も優れている人に、強制されるでもなく、付き従う訳でもなく、自由に対話しながら曲を一緒に仕上げていくという時間は素晴らしい。子供の時から、ピアノの先生には良い先生にあたり触発されてきた。今や先生の年齢の遥か上になってしまったので先生の言葉も年齢をいくばくか加味して丁寧に話していただくが、それでも音楽に関しての知見は先生の方が多く、優れていて、いろいろな見方や知識を教えていただくと、目から鱗が落ちたり、一緒に創っていく喜びに触れたり。音楽の楽しみの大きなひとつだ。
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