2020年7月25日土曜日

贈り物

四連休だしちょっと会おうか。

ということで、連休初日の海の日、高校時代の友人とZOOMでおしゃべり。GW以来だからたった二ヶ月だが、いろいろお互いにあった。

ホロヴィッツのラフマニノフ ピアノ協奏曲NO.3にはまっている話。
昔、ラジオで聴いたツイメルマンのショパン ピアノ協奏曲No.2の素晴らしさ。
かと思えば、料理の話。
ハーブの話から弾んで、彼女の家では市民農園に参加はじめた由。

いいなあ、と思わず歓声を挙げた私に、翌日、その農園で収穫した「きたあかり」を送ってくれた。


こぶりながら、形良し、色良し、香りはまさしくお芋の中のお芋だ。

友人が住む方向に御礼のお辞儀をして、ベランダの一番風の通る特等席に置いた。

さあ、明日は、食欲のない家族に、胃に優しい粉ふき芋?それともしっとり冷やしたポテトサラダ?土の香りする贈り物を身体に取り込んだら、きっと元気になれる。

2020年7月19日日曜日

茗荷

ずっと雨が続き。梅雨寒、湿気、暑さ、病院では冷房寒。普通でも体調を崩すだろう。

食欲なくなるこの季節、妹が茗荷、大葉、おくら、生姜、胡瓜を細く刻んでもってきてくれた。母もこれには喜んで、お粥の共にして楽しんだ。

この常備薬の美味しさに開眼し、母が茗荷を甘酢につけた。さっとゆがくくと色が濃くなる。甘酢につけるとみるみる照りがでる。


なんて色っぽい・・・。

2020年7月18日土曜日

面影

買い物にでた時、ふと目を上げると、前の公園で花壇を見ているのか年配の男性の背中が見えた。その人が煙草を吸い終わってマイ灰皿にしまい杖をついて歩み去る時、少し横顔が見えた。夏なのにニット帽を被り、チョッキを着て。顔立ちは違うだろうに、それだけで父に面影が似ている気がして、思わず佇んで見送った。

江戸っ子で、自分なりの美学があって、お洒落だった。ルックスはマッチョマンなのに、実は(言葉にしては言わなかったが)、亡くなる少し前にピンクの花が好きだと知った。

七月の新盆も過ぎ。

早朝散歩の公園には美しい蓮がすっくと咲いている。


ふいと来て見しうれしさや蓮の花 正岡子規

2020年7月12日日曜日

薄紅に

俯き加減な横貌。
白く透き通った花びらに、うっすら薄紅がさしている。
今は滅多に使われない言葉になってしまったが、乙女の如き初々しさというのだろうか。或いはそこから少し大人びてきた頃の憂いを含んだ美しさと言おうか。


紫陽花に 雫あつめて 朝日かな 加賀千代女

2020年7月5日日曜日

ITパスポート試験

熊本県、鹿児島県中心に九州南部で大雨による甚大な被害が発生している。被災された皆様にこころからお悔やみとお見舞いを申し上げます。親戚が九州に居るので、他人事ではない

東京では、コロナ感染者がまた3ケタ継続の状態となっている。生きていく為に、働き続ける為に、外出自粛ではない方法で乗り切ろうと、Withコロナ、としてコロナと共生し、自衛しながら生きていく手段ということが喧伝されている。

自衛と言ってなかなか政策の話まで踏み切らない候補者が多い中、都知事選も今日実施されている。今迄になく、自分の生死を握る知事を選ぶという意識をもって期日前投票に行った。雨の中でも多くの人が投票に来ていたのは、同じような思いをもつ人が多いせいか。

昔々政治学を勉強した身としては、今のような時代にリーダーシップを発揮して、より良い方向に多くの人を引っ張っていくのが政治家だろうという強い思いをもつ一方、家族や自分の身を守るのは自分しかいないと追い込まれた気持ちにもなる。

自衛。直接コロナと関係する訳ではないが、在宅勤務の間に自分の身になることをしたいと思い、突然だがITパスポートをとることにした。人を病気にするウイルスも、今や仕事にプライヴェートに欠かせないIT機器を襲うウイルスも同じ。身を護る為にどうしたらいいのか、何が起こっているのか分かり、ある程度動き方を判断できるようになりたいと思ったからだ。

義務感からやり始めたものの、何だかワクワクした。英語がわかったら世界が拡がる、音楽の成り立ちがわかったらもっと音楽を聴くのが、弾くのが楽しくなる、という経験をしたので、はじめの知識がないところを我慢すれば、理解できる喜びがあるかもという楽天的な期待感もあった。

分野は、ストラテジ、マネジメント、テクノロジー。100問120分。6割以上が合格。思い立ったが吉日で申し込んだ。だが、仕事もあるし、通院もあるし、最低限でどれだけできるか自分への挑戦と位置づけた。マネジメントとストラテジは会社に勤めて云十年、自分の知識と常識からの推測を当てにして勉強しないことにした。テクノロジーは勉強しないと。ゼロからの出発だろう。

ネットで一番評判の良い本を取り寄せ。ITパスポート最速合格術
この本を3回読んで、過去問といて、24時間で最速で合格しましょうというもの。
本のとおり3回読んで、過去問を3回分解いた。試験を受けた。結果後判定では8割ということなので(試験後すぐ結果は分かる)多分合格できただろう。

そのかわり24時間を3週間でやろうとしても、1日1時間はやはり仕事が忙しくとれない。毎日、ということにこだわらずとれる時間に集中してやった。

知らない言葉が多い、或いは良く聞く言葉でも自分で定義を語れない言葉はもっと多く、勉強したのはきつかった。けれど楽しかった。

ERP CRM TQM BPM ISO VPN 業務上も使うのでわかる。だが、IEEE SOA J-SCIP NoSQL  SOA  TPM ISMS DFD 全くわからない。

まず、それが何か、何故必要か、私達にどうかかわりあるか、上述の参考書、或いはネットで調べる。ああ、そうか。と思うものも、???というものも。

資格としては、財務の人が簿記の資格など言及しないのと同様、技術系の人は口にしないのかもしれない。だが、私にとっては、自分が何をできるのかの証明の資格とは別に、自分が何に興味があるかを示す、もっといえば私を知らない人と話をする糸口になればいいと思うようになったら、何だか資格っていいネタかも、と見方が変わったので。

知らなかったことを知ったのが楽しく、もしかしたらこの資格の知識をきっかけに雑談のとっかかりや話の拡がりになることがあったら、もっと嬉しい。


今日の写真。
線香花火のような蕾。早く梅雨も豪雨も止んで欲しい。小さなお祓い。夏を待つ。

2020年7月4日土曜日

変わらぬ紫陽花

七変化とも言われる紫陽花だが、何故色が変わるのか、

これは小学生の頃、酸性、アルカリ性という定義を習った時に、土壌の酸性度によって決まると習った人が多いはず。

だが、それは土壌の酸性に何が反応して青くなるのか、アルカリ性に反応すると赤くなるのか、忘れていた。

答えは、紫陽花の色素に含まれる「アルミニウム」だそうだ。

散歩の途中で出会った白い紫陽花。子供の頃はあまり見た記憶がないのだが、最近、花屋でもみかけることが多くなった気がする。ではこれは?色は変わっていく?

ネットでみると、白い紫陽花は、もともと色素を持たない品種であるため、何色にも染まらないとのこと。


象牙色に浮きあがった姿は、季節を感じさせる青や、華やかな紅でもなく、何の色にも染まらない凜とした佇まいで、目を釘付けにさせる。

夏もなほ 心はつきぬ あぢさゐの よひらの露に つきもすみけり
藤原俊成