2019年4月30日火曜日

平成 「ガラスの天井に挑む女たち」「OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び」

今日が最後の平成の日ということで、暫く前からマスコミは平成を振り返る企画が目白押し。この企画を自分にあてはめたら?

私は平成元年入社なので、平成の今日までの間、社会人として生きてきた時間と言い換えられる。バブリーと言われた入社時の空気も、そのあとその時代のツケをを払う為に合理化の嵐となった時もその台風の目に居た。400人入った同期もすぐに辞めた人も、分社化して別会社になった人も、そして私も含めて残った人も多数居る。思えば、女性「でも」「使える」と思わせたくて、男性に伍して働き、それ以上の成果を出すことがずっと眼前の目標で、所謂「24時間働けますか」にYESと有言実行することが生き様だった。

昨日の日経に「平成を変えた女性管理職 元年入社の執行役員が対談」の記事があった。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO44249860W9A420C1000000/

「平成の30年間で女性の働き方は大きく変わった。就業者に占める女性の割合は4割を声、勤続年数は2.5年延びた。しかし管理職比率は13%程度と、海外に比べ著しく低い。」からはじまり、野村證券の鳥海氏と三菱ケミカルの花房氏という二人の執行役員の対談に続く。

「仕事を続けてこられた原動力は何でしょう。」同じ問いを受けたら、自分の場合はどう答えるか。400人の同期の中、女性は7人。同じグループに残ったのは自分を入れて3人、他の人は転職したり、身体を壊したり、道は違えどわが道を行っている。自分にとってこの道がわが道になっているのは、結局今の営業の仕事が面白いから、しか理由はない。辞めようと思ったこと、辞めなければ瞑れる、ステップアップの為の転職、など幾つか分かれ道があったが、結局選び取ってきたことになる。

だが、満足している訳ではないし、戦って勝ち取ってきたつもりのものが、本当に「伍して働いてきた」ことが良かったかどうかは疑問だとも最近思っている。鳥海氏が記事で「いま役員になっている女性は男性化してうまくやってきたからで、発想は男性とあまり変わらない。男性化していない人は途中で淘汰されているのが現状。本当に変えるなら、そういった女性が入ってこないと。」と話しているとおり、今、漸く「多様化」の必要が言われる時代になって、「男性化している女性」としてが「均一化」に組み込まれている自分が見える。

一生懸命働いてきたこと、自分なりに成果を出してきたことは肯定しつつ、この一時代が終わったこの機に、今迄自分に課してきた枷を意識的に取っ払って「新しい働き方」「多様性を受け容れる、或いは多様性に寄与する」ことを考えていきたいと思うこの頃。もう、そういうことを考えてもよい年齢になったはず。変化のより早くなるこれから、柔軟性とそれを可能にする受容が私にとって必要な技術なのだろうと思う。

ビジネスウーマンが書いた本で、今でも何度か読み返す本をご紹介。

入社の頃読んだ懐かしい本;
幸田シャーミン「ハーバード・ウーマン・ガラスの天井に挑む女たち」扶桑社
幸田氏がハーバード留学でインタビューした女性達の語る「ガラスの天井なんかに封じ込められない」という思い。悔しい思いをした時によく読んだ思い出がある。ただ、自分自身の体験も含め、その当時は「最大限の努力をすれば、人は自分を男女という分類ではなく個人としてみてくれるようになる」と考え、或いは思い込もうとしていた。実際、今もその思いは変わらないが、少なくとも平成の時代は上述のように「男性化」しないと淘汰される側にまわるということも同様に理解している。そしてその法則は当の男性に対しても同様に適用されることも。

最近読んだ本で;
シェリル・サンドバーグ 「LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲」「OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び」
フェイスブックCOOのメッセージ。自分にはかけ離れた、何でももっているポジティブな人というイメージがあって、正直「LEAN IN」の方は一回読んでそこで終わった。「OPTION B」は「レジリエンス 回復する力」との副題に惹かれて手にとった。相変わらず恵まれた人、というイメージもあるが、それでも夫に先立たれ、這い上がる気持ちも起きない、というところから回復しようと自分の力を信じて育てるその強さに、何度か読み返してはエネルギーを分けてもらってきた。

さて、次の元号の時代は、振り返った時どういう時代と言われるのか、或いは自分も振り返る機会があるのか・・・。楽しみに思いたい。


2019年4月29日月曜日

金の橘 金の時

さあ10連休。待ちに待ちに待ったこの休み!
連休最初は、OBとの再会、高校時代の友達とのオイスター・ランチ。

横浜で美味しいオイスターをスパークリングワインでおしゃべりに興じる。気置けなく、何年会わずとも会ったらすぐに心は(身体は無理だが)すぐに高校時代に戻る。

友人がつくってくれた金柑の甘煮。金柑は中国原産。金橘とも記す。その中国語読みでKumquat, Cumquqt。


長崎の土鈴と共に。


2019年4月20日土曜日

ラヴェル 水の戯れ

先週はフランス音楽講座に1時間だけ参加。時間が足りず聴講だけかとあきらめていたが、15分だけ先生にみていただいた。

全体的には「優しすぎる(音、弾き方)」、あとは個別に弾き方のアドヴァイス。最初に「優しすぎる」と言われた瞬間に、「ばれた」と「ドビュッシーを弾く時の音のままなのだろう」と思った。

本当は、リストを弾くように(但し私は先生に習ってリストをまだ弾いたことがない)カッチリ弾く練習をある程度できてから、ラヴェルらしい音を探そうと思っていたのだが、思ったよりも譜読みに時間がかかってしまい「カッチリ」弾くところまで至らずにもっていってしまったので、音の幅を出すのにソフトめにシフトせざるを得なかった。自分が最近慣れていた弾き方で取り繕っていた、はああ。多分、先生は第一音で判じたのでしょう。

「リストが、属九の和音をそのままアルペジオにしているのに対して、「水のたわむれ」では、基音となるホ音やイ音の上に、調整感の気迫な長九、長七のアルペジオが浮かび、オルゴールのような不思議な効果をあげている。リストの水がキリスト教の聖なる水なら、ラヴェルの水は神秘的な異教の水といったところか。」/「水の音楽」 みすず書房 青柳いづみこ

今日は最初の4小節だけ練習。でも納得せず。


水辺に行った。といっても海辺。潮の香りがした。風が強く白波が立った。戯れ、という感じはなく、でも耳をすませて目を瞑ると力強い水のリズムを感じた。繰り返しの音形を変えて弾こうと頭で考えていたけれど、ザブン、ピシャン!という音形は際限なく続き、一度も同じではなく、ただ続いていく。

自然に弾けるまで、無心に弾けるまで、やっぱり練習あるのみかな・・・。

2019年4月14日日曜日

桜草

エープリルフールもマスコミで話題にならない位、新年度、新学期、新元号、新紙幣(ついでに五輪相の急遽新旧交代も)と新しい話題が矢継ぎ早の4月。今年の年度変わりは、仕事上も新会社、新組織、上層部の新旧交代と、いろいろ目白押し。気持ちも尖りがちだが、近しい人が病に倒れたり、自分も風邪でダウンしたり、思わぬ落とし穴に遭遇すると、なにげない日常の生活を送れることに感謝しなければ・・・とも思う。慌しく、めまぐるしく、そして考えさせられる春だ。

今年は常になく、「桜開花」が待たれ報じられた。ソメイヨシノもいいが、桜もそれぞれの種が美しい。同じ「桜」を冠する「桜草」も種が違うが、今美しく咲き誇っている。


英語名はprimrose。prime roleということで最初に咲く、ということかきたと言われる。そういう意味では、待たれて、待たれて、咲く花、ということで桜草と和名がなったのかもしれない。新年度、「新しい」が「希望」「期待」「未知」に繋がる季節にふさわしい花。