2018年9月16日日曜日

ピリオド楽器によるショパンコンクール第一回 Naruhiko Kawaguchi

この9月にピリオド楽器によるショパンコンクール第一回が行われた。ピリオド楽器とは「the period」ということで、作曲された頃に使われていた様式の楽器、その頃弾かれていた楽器。ということでショパンが作曲していた頃の楽器を使ってショパンを弾くコンクール。ショパンコンクールがこれだけ有名になり、マーケティング的には二匹目の泥鰌を狙って切り口だけ変えたのではないか、とうがった見方をしてしまったが、結果はさあどうだろう?

今回の結果は
http://iccpi.eu/en/news/id/136

Thomasz Ritterが一位。二位にNaruhiko Kawaguchiというオランダ在住の日本人が入った。おめでとうございます。この方以外の入賞者は皆ポーランド人。そういう審査にしてしまったのか、ピリオド楽器をそもそも練習する機会が多いのがポーランド人なのか。にわとりと卵の議論となりそうだ。また、ただピリオド楽器を弾くだけで良いのか、弾き方の様式はその当時のものにどこまで対応するのかもこれから深化させていく余地があり。

ピリオド楽器、ピアノに関してはモダンピアノに対しフォルテピアノという言い方もするらしい。18世紀初頭 強弱を出せるチェンバロの一種という売りでピアノ誕生。19世紀にかけて5オクターヴ、6オクターヴと音域も広がり、工房で職人の技を競い合った。19から20世紀にかけ、フランスではエラール、プレイエル、ドイツでベヒシュタイン、ブリュートナー黄金時代を迎える。一方で産業革命後の大量生産の波はピアノ製造にも影響を与え、20世紀はスタインウェイが一大勢力となる。

強弱を出せるチェンバロから出発したピアノの進化とピアノが作曲された時代を結びつけて弾く、聴く楽しみは確かにある。そもそもマーケティングは需要を創出することも含め、人の望みをすくいとることでもあるのだから。このコンクール、クラシックピアノ界に一石を投じることはできるのか?長い眼で見守りたい(といっても次は5年後だし)。


さて、妹がもってきれくれた今日咲いているのはスプレーバラ3色。グラデーションが美しい。ペンシルヴェニア州に以前出張で行った時にアンティークショップで求めた祈る少女の人形と共に。



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