2025年4月27日日曜日

「疎外感の精神病理」 和田秀樹

キャリコンの友人に勧められて購入したが手元に置いて数年。ふと手にとって読んでみた。

日本人の課題の一つが「疎外感」という病理。これがもとで同調圧力やSNS炎上が起こるとの分析。その誘因が学生時代のカースト制。1stリーダー、2ndフォロワー、3rd仲間外れの集団の中、2ndの中間層が3rdにならないため、子供の頃から努力することで日本人の同調圧力は更に磨きがかかるとの分析。

確かに学校教育のある時期以降は学業の成績で順番を公表しなくなった時期があり、次は友達を作ろうという政策のもと、友達の数がその人の評価に繋がったとの評論は論理的に納得感があるものの、その時代の前から生きていた人にとっては、その前からいじめ、仲間外れはあったよ、という切実な反論があるだろう。

また、この仮説だけだと、海外ではこれほどいじめがないのか?という疑問になる。

動物が群れの中で優劣をつけようとするのと同じ、人間も何等かそのグループ内で序列をつくる。運動能力だったり、頭脳、人種、宗教だったり。その時々で力をもっているグループが恣意的に利用しているのではないかと。子供は単純に人間関係をみながら斟酌するものが大人に比べて少ないからそれだけストレートに表しているだけではないだろうか。

幾つか反駁したい点はあるものの、最後の章「疎外感に精神医学は何ができるか」にて人に直に依存できる体験を与える、というひとつの解の提起を読むことができたのは良かった。また、この人が出会ったハインツ・コフートという心理学者による心の自立は、フロイトが打ち出した自我を鍛えて心の自立を目指したものであるのに対し、「人間というものはそもそも依存的な生き物なので、むしろ自立の強要は不可能なことの押しつけだ」という主張を知ることができたのも収穫だった。

今日はいい天気だった。本の考察を一度とっぱらって、陽光のもとに歩み出よう。つつましやかに馬酔木も咲いている。

2025年4月26日土曜日

4か月ぶりの早朝散歩

年初に行ったきり、体調崩し、その後の三連続海外出張で早朝散歩もずっとお休みだった。

今日はだからほぼ4か月ぶりの復活。散歩ルートも春の盛りで一変。コロナに入ってから始めた習慣だが身体は勿論精神的にも心地良いので、やはりGWに浮き立つこの時期にリセットで再開しよう。

今年はソメイヨシノをみる間もなかったが、こうして実は愛でることができた。

美しやさくらんぼうも夜の雨も 波多野爽波

2025年4月20日日曜日

フランス音楽講座 弾き合い会 2025年

 今年も実行。先生、とりまとめのDUOポッキーズの彼女、講座参加者のお蔭。

2台ピアノが今年のコンセプト。DUOポッキーズは、先日の話のとおり彼女の機転でなんとラヴェルのマ・メール・ロワを披露。彼女はほぼ毎年みていただいているウィーンの先生作曲のオリジナル曲を託されて本邦初演。フランス音楽にこだわらず様々な曲が奏でられ、約5時間の音楽会敢行。

当日は霧雨が時折降るものの、川面にそれまで盛りであっただろうそめいよしのの儚げな薄紅の花と、これからが季節のvividな八重桜ともに咲いていて、季節外れの寒さに誰も花見をしていなかったが、美しかった。


2025年4月6日日曜日

花を愛でる

ソメイヨシノの開花や花見の話でニュースは持ち切り。

だが、桜をみにいけない人もいる。外に行くことができない母に、桜色の花を買った。我が家の花見である。


2025年4月5日土曜日

教え

1月末に体調崩しドタキャンお願いした先輩との会食。リスケ決行。

欧州出張から帰国すると、客も社内も異動多く、歓送迎会の嵐だった。だが2か月延ばしていただいたこの会食だけは再リスケはできない。まわりの人に根回しして無事漕ぎつけた。

ドタキャンを謝罪するのも柔らかく押しとどめられ、最近どう?といつもの如く好奇心と心配と綯交ぜになった問いに。四半世紀前に同じ職場に同時期に異動してから、こうやって話を聞いていただいて様々なことを乗り越えてきたことを思い出す。

話は多岐に。ここ最近は半年先の為替や政権について予想をたてあったりしている。前回の予想と今を比べ、自分の不明さや世の中の道理のなさを嘆いたり。果ては日本の債券について論じ、翌日には先輩から面白いからこのIMFレポート読んだらとLINEいただいた。何年おつきあいしても先輩の背中はなお遠い。

一緒に仕事していた時に、担当は違うのに、営業を教えてくれる人がまわりにいない私を不憫に思ったのか、丁寧に自分の考えを説明して下さる先輩の言葉を、びっしり記したメモ帳が今でも手元に残っている。今自分が後輩に時折伝える言葉は、その教えが源泉だ。自分のものだけにせず他の人と分かち合うこと位しか還元できることはない。


いただいた金沢の「佃の佃煮」の包装紙 加賀友禅。家族の体調が悪く食欲がない中、いただいた佃煮で今日はいつもより食が進んだようです。美しい包装紙、美味なお心遣い、こんな風に粋にさらりと表せるようになりたいもの。