2021年3月14日日曜日

ロマンティックなワルツ

 今日はフランス音楽講座を受講してきた。

ドビュッシーの「ロマンティックなワルツ」をみていただいた。

若書きの曲と言われある意味成熟していないというトーンで語られるが、私は好きだ。分かりやすいメロディーながら、和声はもう既にドビュッシーの特徴がでていて、くるくる変わる明暗はまるで舞台。ドラマや映画音楽のようだ。

個人的には、この曲ではその舞台音楽のような効果を出したいと思って練習。盛り上がってクレッシェンドしていたのに急に(subit)ピアノに落とす、歌っていたメロディが突然途切れて「天女の羽衣」のようなアルペジオがかかったり。急な音の切り替えは、頭の中で鳴る音楽を切り替えと共に、実際に弾く指を含む身体の即座のコントロールが必要。「車は急には止まれない」と同じで速度や遠心力がかかった音楽を急に止めたり変えるのは難しいのだ。そのかわり、上手くできたら効果は抜群。

講座では、この曲は、「ロドリーグとシメーヌ」(ドビュッシーの未完のオペラ)のモチーフが使われていると教えていただいた。

このオペラの話自体は、分かり易くたとえれば、フランス版ロミオとジュリエット的な物語である。ただ、少し最後の結末が違う。ロメオもといロドリーグは、ジュリエットもといシメーヌの父を刺殺。シメーヌは王に公平な裁きを、裁判を求めるが、王はロドリーグが居ない為、急がずに去る。そこにロドリーグが戻ってきて、父を刺し殺した剣で自分を殺してくれとシメーヌに嘆願するが、まだロドリーグを愛しているシメーヌは決断せずに去ってしまう。ロドリーグは狂乱するも家族に諫められ、シメーヌへの愛とともに戦場へ向かう。同じストーリー設定なのに結末が違うだけで印象が変わる。結構、この現実路線がフランスらしい?と面白い。


今は盛りと咲く家の近くの雪柳(?)。清純と表現されるジュリエットやシメーヌの印象さながら。誰も歩いていない大雪のあとのように、目が痛くなるほど真っ白で。眩しくて、そして美しい。

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