先週は数か月ぶりに朝の散歩を復活。今週は行かれず、思うようにはいかないものだが。それでも朝の空気は引き締まって、初冬の張りつめた雰囲気で身体を包み込む。
よくいっていた公園に久しぶりにいくと、あれだけ茂っていたあおあおとした蔦が既に紅葉し、実は種を宿していた。
蔦の種類が違うのだろうが、落ちんばかりの蔦を見ると思い出すが、子供の頃読んだ、オー・ヘンリーの「最後の一葉」。
芸術家の住むアパートで肺を患う女性画家が、窓から外を見て、葉がすべて落ちたら自分は死ぬ時だと思う。それを知った同じアパートの老画家が、雨の中「最後の一葉」を壁に描く。落ちない葉をみて女性画家は生きる縁とし生き延びるが、絵を描いた画家は雨にうたれたことが原因で亡くなってしまう。このタイトルの「最後の一葉」は亡くなった老画家の傑作だったという結びで終わる。
彼の行為は自己犠牲だったとも、傑作を描くといいつつ描けない芸術家の苦しみを描いたとも、いろいろな解釈があるようだ。シンプルで美しい英語のストーリーは様々な余韻を読者に与えるのだろう。四季、美しい色を纏った蔦の最後の色は、朝から内省に誘う。
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