どの作曲家と友達になりたい?恋人は誰?と話し合ったことがあった。学生時代。その時ドビュッシーを良く知らず、話した思い出がない。だが最近友人と話して一致したのは、「友達にも恋人にもしたくないけれど、どうしても気になる存在。フォロワーに絶対なる。」
憧れと好奇心が一杯あって、なりたい自分を目指して。そしていつもある程度は手にいれる。けれど、本当に欲しいものは憧れて手を伸ばした先にある、それが分かってしまう鋭い意識がある、そんな人に思える。天才の焦燥感は凡人の自分には遠いものだが、一個人として、彼の憧れに向かってあがく姿は共感できる。
1908年の作曲。46歳、亡くなる10年前の作品。当時流行り始めてきたジャズ音楽。新しい、異国の、自分の琴線に響くものは全て貪欲に取り込んだドビュッシー。シンコペーションのリズムを強調し始まるゴリウォーグ(キャラクター)のケークウォーク(その頃流行った黒人音楽で二拍子)を創った。娘のシュシュに捧げた「Children's Corner」のアルバムの一曲だ。
好奇心から行ったことのある国、ない国、きいたことのある曲、ないフレーズ、総動員して、想像の世界を駆け巡って、愛娘にその経験を御伽噺に聞かせたのだろう。
今月のコンサートに弾く曲。練習が楽しい。リズムを厳格に。でも次ははねたりとんでみたり自由に弾いてみたり。きっと娘に聞かせた時には、ほら、これはどう?と娘に目顔で問いかけながら弾いていたのではないだろうか・・・。
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