パリのシャトレ座の清掃員が実は30年前はロシア・ボリショイ交響楽団の天才指揮者で、ある経緯から偽のオーケストラを結成する。仲間が集まり、何故彼がボリショイから追放されたのか過去が明らかになる。
全編に流れてくるのが、この有名なチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。主人公アンドレイの愛した妻がヴァイオリニストで、再会を果たす娘も同様にこの曲を奏でる。フランス映画らしく「これが人生さ」とさらっとした描き方と、チャイコフスキーといういかにもロシアン・クラシックの叙情的な曲想、感情をかきたてる豊かな響きが絶妙にマッチしている。この音楽がアンドレイの音楽への情熱、家族への愛、義憤、望郷の気持ち、その時々様々な心の機微を彩る。原題はConcert。
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