2018年4月8日日曜日

ドビュッシーの「夢」が流れる物語 「いつか、きっと」 イザベル・ユベール

「南仏ニースの中年街娼のロードムービー」という紹介文が多い。彼女が娘と共に元締めから逃げる場面から始まる。

南仏の映像と音楽、そして女優イザベル・ユペールの存在が光る。

冒頭部分は自堕落な感じにもとれる曲からはじまり、逃亡しているうちに以前の家族を捨ててきた記憶が蘇り、今共に逃亡中の娘への愛情を少しずつ感じられるようになる場面にはドビュッシーの「夢」が効果的に流れる。自分に向き合って生きていこうとするラストは洒脱な小気味の良いジャジーなピアノ。

イザベル・ユペールは、街娼として厚化粧とピチピチした服で武装していた突っ張った表情から、逃亡中の疲弊を隠すことすらやめた自尊心がなくなってしまった姿、思い出すようになった昔の結婚していた時の母親らしい表情、最後昔の恋人に背を向けて現実に向かおうとする時の落ち着いた瞳、疲れた老婆のような表情がふっと笑った時の一瞬少女のような無邪気さの落差。演技をしていると感じさせない魅力があった。

原題は 約束された人生(net翻訳です) La Vie Promise

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