2022年3月20日日曜日

フランス音楽講座 マスネ 「トッカータ」

 一か月前は何をしていただろう。

2月20日は北京五輪閉幕式だった。各競技、各国の選手に声援を送り、日本の選手の挑戦と活躍に胸躍らせた。仕事では、旧正月前後、五輪前、中国での大型投資の商談の動きが緩慢で、次のパラリンピックまでの間に動きがあることを期待していた。

実際にはロシアによるウクライナ侵攻が起こり、パラリンピックが何等か歯止めになってくれるかとの思いもむなしく現状に至っている。いつの間にかパラリンピックは終わり、この戦争の影響がニッケルやパラジウム、ヴァナジウムといった資源・原料高となって日々の仕事にダイレクトに関わってきている。この二週間は、この原料高騰のお蔭で、既契約の見直し、新規案件の急激な増(各企業が製造用の材料をおさえにかかってきている)への対応で忙殺された。

プライヴェートでは、先月は何をしていたか・・・。先月のフランス音楽講座には、マスネの「トッカータ」をもっていった。1か月で仕上げるには難しいかとも思ったが、アルペジオや音階が冬のスキーやジャンプのシュプールを想起させたので、季節にあっている気がして練習はじめた。

トッカータの語源はイタリア語の「toccare(触る)」。オルガンやチェンバロなどの鍵盤楽器に異常がないかを調べるためために、音階やアルペジオなどを弾き確かめたところからきている。今でも調律師さんが調律したあとにいろいろな音域で試し弾きをされているが、この行為そのものなのだろう。このように音を確かめる試し弾きといった目的から、時を経て即興的で連打や反復音の多い技巧的な曲に発展していった。

この曲の音階やアルペジオの左右の手、入れ替わり立ち代わり激しく弧を描く旋律が、今度は今の様々な政情や、資源・材料価格の乱高下を想起させるのだから、いやになる。音楽には何の責任もないのに。

早朝散歩。もう既に桜が咲いているとは。あれほど待ち望んでいた春がもう既にきていたことに気が付きもしていなかった。

2022年3月13日日曜日

春の兆し

 ふらふらと 行けば菜の花 はや見ゆる 正岡子規