東京駅のステーションギャラリーで開催されていたので見に行ってきた。
私は恥ずかしながら名前も知らなかった画家なのだが、母が「この人の赤い色は印象的なのよ」と勧めてくれた。
大正から昭和にかけて生きた人で、京都で日本画を学び、中国・欧州と旅して描き、北米に招聘されてまわり、従軍画家としても表現を続けた。
さっと一筆書きのような絵にも対象の特徴をつかん確かな技量にうならされるし、このポスターにつかわれた「愷陣」(写真はポスターから拝借)のように、何かを暗示するような「表現したい」情熱やオーラが強く惹きつけられる絵もあった。
この絵は、戦争から戻ってきた馬は埃まみれのままでいる、村人がそんな馬を花で飾って労うという漢詩に着想を得た絵と解説されていた。華やかな花々と、毛並みがずたずたになった足、不自然に身体を曲げてうなだれた体形、落涙のように見える白い花びら。馬を描きながら何を訴えたかったのだろうと心に残る一枚だ。
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