2021年2月21日日曜日

夢想

 1月は欠席で、2月のフランス講座では久々にドビュッシーの曲をもっていった。

以前から弾きたいと思いつつ、あまり難しそうでもないのでいつか時間ができたらと思っていた曲だ。

ドビュッシー自体はこの時期(28歳前後)に作曲した曲を、駆け出しの経済的必要に迫られて作曲したものとして後年「全然好きでない」と言っていたとも言われる。

だが、この和声の運び、ドビュッシー以外、誰も描けないだろう。映画音楽のようでもにも聞のこえるが、和声が絶対に違う。時代を先取りしている。

技術的にはさほどでもないが、もっていくのには冒頭のppの弾き方など、迷うこと多く、最後まで弾かないで聴講にするか迷った。

まず冒頭の2段が難しい。ただ弾くとメトロノームのようだ。だが揺らすとswingになってしまう。第一音の係留をppで響かせておいて、あとは腕の遠心力の動きで波の寄せ返しのようなまるいリズムにする。そこからメロディーは上から降って消えるひと筆書き。

講座では、やはり、第一音の響かせ方から。何度も弾き直し。重くなくいつの間にかそばで鳴っているような音。先生の音は、たった一音なのに全然違う。なにが違うのか。耳で聞き、目で見た弾き方を真似る。全身の感覚を集中させて真似をする。違う。優れた演奏家にライブで教えていただく醍醐味がここにある。


さて、来月は何をもっていこうか。今年は何をコンクールにもっていくつもりで(どうなるかわからないが)練習しようか。毎年、暮れには決めて練習始めてと思うのに、思い悩んで講座にもっていく小曲を何となく練習して結局ゴールデンウイーク頃から練習する有様。

去年一年は、何の意図もなく、初めて弾きたい曲だけを弾いた年だった。プーランクとショパンを弾き、音楽の喜びを純粋に感じることができた。

今年はどうしようか。時々立ち寄る、アマチュアピアニストのぴあのピアノさんの「今年の目標」を拝見したら、影響受けやすい私はすぐに刺激を受けてしまった。ぴあのピアノ

私はこうしてみよう、ああしてみよう。想像するだけなら楽しいが、今の生活では週末に1時間程度練習するのがやっと(本当か?と突っ込みたくなるが・・・時間の使い方が下手なだけなのだろうが)。ぴあのピアノさんのような目標はもう少し先の楽しみにとっておこう。

今年はベートーベン ピアノソナタ 17番「テンペスト」の1楽章、3楽章を再チャンレジすることにした。家族が聴きたいと言ってくれたからと、自分が弾きたくなったから。技術的には、指を使ってしっかり音を鳴らす、建築物のように構成をよく考えて弾くことが大きな課題だ。音量豊かに出すには筋力が不足しているので私という演奏者にとってはハンデのある曲なので、それをどうやって補うか。音量にあまり固執せずに、音量以外でその曲や部分を特徴づける、たたみかけるように執拗な焦燥感、不安、雲を突き抜けたように感じる喜びなどを表現することにフォーカスしてみようと思う。それと今年ひとつ目標をつくるとしたら、美しい、耳を捉える音を少しでもいいので響かせられるようにしたいと思う。

さて。年末に振り返った時、どのような評価となるか?

0 件のコメント:

コメントを投稿