同僚よりひと月ほど前にいただきもの。今年はオリーブがよくできたので、と摘みたてのオリーブを自分で塩漬けできるように渋抜きの苛性ソーダとともにいただいた。
私はうまく渋抜きできずに緑と紫と宝石箱のように個々に色が変わる結果となってしまったが、オリーブの味は堪能できる。漸く味も馴染み、大切に2-3粒ずつ毎日いただいている。
また、塩漬け用とともに、ご自身が漬けたオリーブの瓶もいただいた。大きさにして10cmほどの小瓶に力強い緑の美しい実が。ローズマリー、タイム、ガーリックと塩で漬けたとのこと。
北の国から来たつぐいみが赤い秋をついばむ音が聞こえるではないか。それに、秋の風はオリーブのように苦いではないか。
フランシス・ジャム 作 / 手塚伸一 訳
ジャムはフランスの抒情詩人。1868-1938年というので、ドビュッシーより長生きしているものの1962年のドビュッシーとは同世代。マラルメやジッドに認められるが、パリに拠点を置かず山野を好んだらしい。ドビュッシーとは住む世界が違ったのだろう。
オリーブのように苦い風。印象的な表現。
とはいえ、我が家のオリーブは、いただいた瓶詰めも自分で塩漬けしたものも、苦いどころかまろやか。豊穣な自然をぎゅっと凝縮したような実を味わえる幸せ。
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