2020年6月14日日曜日

その音を その時に その場で 共に経験すること

今日は私にとっては4ヶ月ぶりの、対面でのフランス音楽講座。

先生から今迄の活動や、欠席の方々の消息などをきいて一息ついての開始。

オンラインはオンラインの良さがあるものの、対面はやはり格別。それぞれのメリットを感じつつも、やはり音楽は、その音を その時に その場で 共に経験することの素晴らしさを再確認。

素晴らしいピアニストである先生や、それぞれ音楽活動をされている受講生を前に弾く瞬間の、背筋が凍るような、心臓がバクバクする緊張感。それでも素晴らしい聴衆が前に居るという興奮。自分の準備、技量を踏まえた客観的、プラグマティックな最後の振り返り。そして弾き始めてしまえば、その曲に、そして曲への思いに捉われてしまう。


前回のオンラインでは「弾き方」を主に言葉で、表現に工夫を凝らしながら説明された先生は、今回は対面を意識されたのか「音」にこだわられた。何度か弾きなおしを言われ、そのたびの自分の中での評価、先生の評価、先生の演奏、自分の演奏。音、音、音。

メロディーの中の小さな盛り上がりの音。に過ぎないといってしまえばそれだけだが、次に進む時の感情を示す音。ためらいから思い移るのか、メロディーとして確固として歌うのか。気持ちは決まっても、自分の技量がその音を出せない。5回ほど繰り返して弾いてみる。一つとして同じ音はなく、先生が満足する音はない。

今日弾いた曲はショパンのノクターン 遺作ホ短調。ネットで、17歳の時の曲だという研究もある。17歳でどうしてこのような曲を創り出せるのだろう。何を思ってその曲を記したのだろう。

写真の植物のように柔らかで、優美な弧を描き、わかわかしく、そして感情が露わな気がする。

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