1月の青柳いづみこ氏の「アッシャー家の崩壊」。
ドビュッシー没後100年と言われた昨年。彼が死の直前まで夢見た自作のオペラ。未完の作を市川景之氏の補筆で演奏。壁に和訳も映写され、言葉の意味合い、音楽で成し遂げたかったことを聴衆に感じ取らせてくれる素晴らしい機会だった。
ドビュッシーのピアノ曲は漸く数曲弾いてきた訳だが、彼は「言葉」にもこだわっていた。フランス語がわかれば、このオペラや歌曲も楽しめるだろうに。「もっと」ドビュッシーを知りたいと思わせられた音楽会だった。
2月は青柳いづみこ氏の友人という、ハープシコード奏者 Elisabeth Joye氏の演奏を聴くこともできた。
鍵盤楽器は打楽器だ!という風に弾く人も中にはいるが、彼女は雅な宮廷音楽だ。華やかなパッセージを弾いたかと思うと、ふと内省的な、ためらいの間が、心に沁みる。私が虜になった、青柳いづみこ氏の「やさしい訴え」と通じる音楽への思いを感じる。
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