スタインウェイは1853年にドイツのシュタインヴェークがニューヨークに渡り、名前もスタインウエィへ、そしてメーカーとしても開花した。工場は米独両国にある。他の欧州メーカーと異なり、宮廷で響かせる前提ではなく米国の音響まだ乏しかった時代に音を響かせることを主眼に新しい技術を次々と投入。同時にマーケティングの意識も高く、その頃のメディアとしては大人数にPRできる展示会に積極的に取り組み、1867年のパリ万博では金賞受賞。またスターピアニストに弾いてもらう、コンサートを後援するということも行っており、営業戦略も時代の先駆者だったとえよう。
技術戦略も明確だ。革新的な技術は特許をとり、その先進性で自社を守ってきた。これも会社経営の教科書に書かれた現代企業の手本そのもの。音を響かせる、その為の技術は、たとえばグランドピアノで弦を交差して張る交差弦。楽器全体を音を伝導する為に、金属のサウンドベルも設けた。
華やかな音は、製販両輪の知恵と努力の成せる業。
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