2026年1月3日土曜日

ガルシア・ガルシア

元旦は彼の特集の再放送を観た。

旧年の疲れが出たのか、気が緩んだのか、この二日、なにやら身体が動かず。やろうと思っていたことに手がでなかったが、そのかわりこんな素晴らしい番組に出会うことができた。

https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2025145610SA000/

ガルシア・ガルシア 日本を行く

写真は「SPICE」のHPから借用

2021年度ショパンコンクール3位のピアニスト、マルティン・ガルシア・ガルシア。北海道に降り立ち「街角ピアノ」にふらりと立ち寄るところから始まる。この人は街角ピアノにまっすぐ向かうことなく、他の人達が弾くのを座って一緒に聴く。たまらなく弾きにいったり、またベンチに戻ったり。ピアニストが聴衆になる?ピアニストに限らず、他の人の演奏をどれだけ聴くことができる音楽家がいるか。音楽家に限らず、たとえばビジネスでも他のビジネスマンが言うことを無心にベンチで聴くことが出来る人がいるか。答えは「希少」だと思っている。その希少な人達は本当にピアノを、音楽を、ビジネスを、大切に思っている人達だ。そういう姿が冒頭から映っている。ショパンコンクール3位の人、のドキュメンタリーではなく、音楽を愛する人の姿を追う番組として惹きこまれていった。

北海道での街角ピアノでモシュコフスキの連弾を初見で、京都の地蔵院で角さんと寺ピアノの場を静かに堪能したりしたのも印象的だった。

最後に一昨年地震があった際に日本にいたという、能登半島地震に触れ、能登お訪れ人と触れ合う部分があり、公民館で弾かれた石川さゆりの「能登半島」、美空ひばりの「川の流れのように」。普段演歌を聴いたことがないながら、歌詞がテロップで流れ、ガルシア氏の抑制がぎりぎり効いたものの心の本当にこもった演奏は、能登の方々ならずとも、視聴者も涙が自然に流れるのを抑えられなかった。

世の中には美しい調べにお金の匂いや、PRの香り、百歩譲っても自意識の片鱗が覗くことも多々あり、音楽の素晴らしさと世俗の力を、あきらめと共に受け容れ、自分の中では分別しようとする訳だが、少なくともまだ今の彼からはそういう匂いがせず。本当に心から番組を楽しんで聴くことができた。世の中を、この人の音楽ならば、繋げることができるのではないかと、普段は辛口の自分すら共感した。


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