紫式部の実を過ぎにける日暮れかな
加藤楸邨
酷暑で枯れていたベランダの薔薇が咲き始めた。
そんな週末、祥月は11月だが、大口需要家の来日イベントで、11月中旬まで予定がたたなくなったことから、思い切って今週末に父の墓参り。
天気予報に反して暖かい日。ゆっくりと話し合ってきた。
母への土産は秋薔薇。
秋の風 再び薔薇の蕾かな 正岡子規
酷暑からいきなり秋。
残暑とか初秋という表現をする間もなく。
「ぽろたん」という名前と、「渋皮が簡単に剥ける」というポスターに、今まで買ったこともないのに生栗を買った。ポスターにのっているとおり包丁で切れ目を入れたら大変だったが、家にあった栗剥きナイフを使ったら少し楽にできた。
ポスターに書いてあるとおり、2-3分茹で、剥いて(全てが渋皮ぽろっといかなかったけれど)、昆布と塩で整えて3合のご飯の上へ。息をひそめて待つこと一時間。段々えもいわれぬ優しい栗の香りが。
炊飯器のチャイムがなって10分蒸らしてからゆっくりと蓋を開けると・・・
黄金色のぽろたんが、ほっくりと。
ざっくりご飯に混ぜていただきました。
秋の美味。苦労を補ってあまりある幸せ。
「栗剥けと出されし庖丁大きけれ」高浜虚子
彼も栗剥くには苦労したことでしょう。
美味しいものは今も昔も苦労が必要。