4月に心に残るイベントがあった。
月1で通っているフランス音楽講座が30周年ということで青柳いずみこ先生の発案、デュオ・ポッキーズの友人プロデュースで記念コンサートが開催され、参加できたこと。
先生がプロアマ問わず「ピアノから美しい響きを出すこと」だけをモットーに開始されたという講座。私自身は途中から通うことを許され今に至る訳だが、先生ご自身は30年間ご指導され続けたというこの事実には圧倒される。年間でご自身の多くのコンサートやレクチャー、執筆出版もこなされつつ、関西の大学でも教えられ土曜に新幹線で帰り日曜に教えてくださっていた時期も長くあった。人を育てるということは、形(ハード)は残らないが、人(ソフト)として脈々と精神や技能が伝承されていくということ。続けられた年月だけではなく、人に教えられる内容の蓄積を自ら厳しく課してこられたからこそできることなのだろう。
30人弱が参加し、フランス音楽ほか、様々なレパートリーの音楽界が4時間に渉って繰り広げられた。私はデュオ・ポッキーズによる連弾 スペインの踊り/チャイコフスキー(ドビュッシー編曲)、ソロではサルタレッロ(マスネ)とノクターン2番(フォーレ)を弾いた。先生の嬉しそうなご様子、講習生の上気した顔(普通のコンサートより先生の前なので緊張!)、講習生の家族や友人、教え子など多種多様な観客。それぞれの喜びの時間。音楽をやっていて良かったと思う瞬間だ。
GW中にデュオ・ポッキーズの友人と地元でお疲れ様会を。珍しいクラフトビールを出すパブで乾杯。そして感謝。彼女はもうその先を考えていて、次のコンサートに思いを馳せている。はー。このエネルギッシュさ。いつまで経っても追いつけない。