贅沢なことに彼女が企画してくださって、来年のフランス音楽講座で使うホールの下見を兼ねての弾き合い会だ。
La Salle F 資生堂初代社長の福原信三氏の哲学を受け継ぎ、芸術・文化を基点に人が交わる場にしたいというコンセプトのホール。
入った途端に目を奪われる木の壁、床が与える安心感。音響はとても良く、大きさにマッチした計算しつくされた感を受ける。スタインウェイはまだ入ったばかりなのか、ボージョレーヌーボーのように若い音がする。これから弾きこまれたら熟成された音になる期待、わくわくさせられる楽器だ。現状は少しタッチが重く感じ、できればリハーサルの時間をとりたいもの。彼女が弾くドビュッシーが、あるところはクリアに響き、新しい側面に光をあてるような演奏だった。是非、ここでコンサートに参加したいもの。